民間部門牽引で2020年のGDP伸び率を2.5%に引上げ

8カ月間を要して漸く国会で10月末に年金・恩給改革が承認され、今後の税制改革など一連の構造改革進展に弾みがつくムードなってきている追い風に便乗して、パウロ・ゲーデス経済相はアドミニストレーション改革などを国会に提出する。

連邦政府の財政責任法(LRF)が制定されて既に20年が経過しているために、新たな憲法改正による改革が必要となっており、ゲーデス経済相は、行政部門のアドミニストレーション改革並びに247億レアルの歳出削減に繋がる緊急憲法補足法案(PEC)、非インデックス化推進などのDDD緊急憲法補足法案(PEC)、連邦政府から地方政府への交付金分配改正案、地方政府救済法改正を織り込んでいる。

今週中に経済省のマクロ経済報告書で今後の経済政策が発表されるが、民間部門と公共部門は別々にGDP伸び率、投資並びに雇用部門別に発表される。2020年のGDP伸び率は2.17%から2.50%に上方修正されると経済省のAdolfo Sachsida長官はコメントしている。

またクレジット部門拡大並びに500レアルまでの現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金や凍結預金の先払い政策導入で120億レアルによる一般家庭の負債軽減、民間部門の石油・天然ガス向け投資、今後6カ月から9か月後の政策誘導金利(Selic)の引き下げ効果などで更に来年のGDP伸び率を引上げるとAdolfo Sachsida長官は説明している。

今年第2四半期末の民間部門の投資は前年同期比7.02%増加、GDP伸び率は1.69%増加した一方で、公共部門の投資はマイナス14.30%縮小、GDP伸び率はマイナス1.56%を記録しており、民間部門が牽引する持続的成長過程に突入している。今年の公共投資は490億レアルと過去最低になると予想されている。

政策誘導金利(Selic)の5.0%への引き下げは民間部門の投資促進で雇用創出に繋がる一方で、連邦政府は公務員の年金入り増加並びに公務員の採用を削減している。

今年6月の民間部門の過去12カ月間の新規雇用は48万600人に対して、連邦政府の公務員は2万8,800人減少しているとAdolfo Sachsida長官は説明している。(2019年11月5日付けエスタード紙)

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