米中貿易摩擦継続による世界貿易縮小並びにアルゼンチン為替危機の影響、中国で発生している豚ペストの影響で、飼料用の中国向け大豆の大幅な需要減少や国内経済回復に伴う中間財の輸入増加などの要因で、2019年11月の貿易収支は34億3,000万ドルの黒字を計上したにも関わらず、過去4年間で最低黒字計上となっている。
特に貿易相手国3位のアルゼンチン向け自動車輸出は、アルゼンチンの為替危機の影響で壊滅的なダメージを蒙っている一方で、中国向け牛肉輸出は中国の豚ペストの影響で急上昇している。
今年11月の中国向け牛肉輸出は、中国の大幅な需要拡大に伴って牛肉の国際コモディティ価格も上昇している影響で、前年同月比45%と大幅増加の7億5,600万ドルに達している。
今年初め11カ月間のブラジルの貿易収支は410億8,000万ドルの黒字計上にも関わらず、2015年以降では最大の黒字計上、今年のブラジルの貿易収支は418億ドルの黒字を経済省通商局(Secex)戦略担当のエルトン・ブランドン次長は予想している。
連邦データー処理サービス公社(SERPRO)では、人為的ミスで輸出統計の訂正を行っており、今年9月の輸出総額を189億2,000万ドルから202億9,000万ドル、10月は182億3,000万ドルから195億8,000万ドル、11月は3.0%増加の64億9,000万ドルにそれぞれ修正している。
2015年11月の貿易収支黒字は経済リセッションの影響を受けて11億2,000万ドルに留まったが、2016年は47億5,000万ドルの黒字を計上、2017年35億4,000万ドル、2018年40億8,000万ドルであった。(2019年12月3日付けエスタード紙)