“能力のある女性はもっと高給を取らなければならない” 

          “能力のある女性はもっと高給を取らなければならない”

                            

ブルーツリーグループの青木智栄子社長は職場における男女間格差是正の必要性を訴えている。(2019年12月8日付けエスタード紙より抜粋)

3万5000人が加入するブラジル女性グループでリーダーの青木智栄子さんは、ブラジル企業内での出世やサラリーの男女間格差をなくす重要性を訴えている。

青木智栄子さんは、ブルーツリーグホテル網の創設者でブラジルでも最も有名な女性経営者。シーザーパークホテルやウエスティンホテル社長を歴任、また米国並びに日本、フランスで勤務。米国コーネル大学ホテル経営学を専攻。

現在71歳の青木智栄子さんは、企業でのキャリアアップを目指す若者に忠告。
“全ての女性にとって、今の職務は重要ではなく、働いている仕事内容を好きになり、自分に投資して他の人との違いを生み出す必要がある。それを超えると大きな幸福感に浸れる。また改めに新しいことに挑戦する”と説明している。

質問“青木智栄子さんがホテル業界で仕事を始めた時の女性が置かれていた状況は?”

回答“あの当時のホテル業界で働く女性は少なく、事務職に集中していた”“1988年にウエスティンホテルを買収する時に、私はシーザーパークホテルの副社長であったが、買収したホテル網には女性のエグゼクティブはいなかった。私はこのホテルには女性ジェネラルマネージャーはいないのか? と質問、彼らは漸く女性のエグゼクティブ採用に必要性を感じて採用した”

質問“男性優先の職場環境を変える問題点は?”

回答“私を見て下さい。日本女性、背は低く痩身。シーザーパークホテルではマーケティング取締役からキャリアを開始、その後社長に就任。業界内の会合に参加したが男性ばかりであったが、疎外感は感じなかった。しかし私自身が自分の能力不足を感じた。私はもっと勉強も必要性を感じ、また男性達は私の成長を助けてくれた”

質問“この長い期間中のホテル業界の変化を感じ取っていたか? 女性が経営陣トップに立ったのはいつ頃?”

回答“ホテル業界で女性が経営陣トップに立ち始めた時には私は既に社長であった。業界の多くの女性は観光・ホテル学科を専攻してキャリアアップ。特にマーケティングや営業部門などに進出してきているがまだエグゼクティブは少ない。私の会社では男女のジェネラルマネージャ―職は均衡を保っている。”

質問“あなたは女性エグゼクティブのパイオニアであるが、エグゼクティブ環境に於ける女性の進出状況は?”

回答 “社会はホテル業界以外にも更なる女性のリーダーを求めている。新しいマーケットへの女性の進出は重要であり、また今後女性のリーダーは急速に増加する。”

質問“女性のリーダーやエグゼクティブはどのように増加するか? ”

回答“私は3万5000人が加盟、また多くのエグゼクティブも参加するマガジン・ルイザ社を率いるルイザ・トラジャノ会長のブラジル女性グループの責任者、お互いに意見交換した相互援助している。日本では女性の社会進出は難しく、女性のエグゼクティブはほぼ皆無であるが、少しずつ変化してきており、東京都知事には小池百合子さんが就任しているが、その点ブラジルはパラダイス。”

質問“女性のリーダー育成は企業それとも政府のイニシアチブ?”

 回答“女性のリーダー育成の方程式はない。経験の必要性や公共ポリシーの重要性も。企業の重要性も。企業の大半のエグゼクティブは未だに男性。私は素晴らしい能力を発揮する女性を知っている。全ての分野での変革が必要。企業では男女共の50%の比率で選択することも一手。”

質問“ブルーツリーホテルでは男女の格差均衡のポリシーは?”

回答“ブルーツリーホテルグループでは女性に対する差別待遇は皆無。重要なことは結果を出すこと。キャリアアップを欲する従業員にはチャンスを与える。男性は女性に学び、女性は男性に学んでいる”

質問“男女間での同一サラリーのフォーマットは存在するか”

回答“男女間でサラリーが異なるのは不当。女性に能力があれば男性よりも高いサラリーを貰うのは当然。特に米国では能力次第。私のホテルグループでは能力次第”

質問“若い人にキャリーアップに対するアドバイス?”

回答“若い人にとって学ぶ意欲が最も重要であり、また男女ともに困難に立ち向かう勇気。現在は女性にとって昔に比較してキャリアアップは容易。全ての女性にとって今の職務は重要ではない。やっている職務を好きになること。またキャリアアップのために投資すること”と結んでいる。

 

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