2020年のサンパウロ市役所の投資許容総額は82億レアルが見込まれているが、そのうちサンパウロ市所有の資産売却のための民営化プロジェクトで最低29億レアル、最高で45億レアルの資金調達が見込まれている。
今年のサンパウロ市の民営化案件には、火葬場や斎場サービスの民営化、ゾーナ・アズールと呼ばれる路上駐車サービス、F1ブラジルGPの舞台であるインテルラゴス (Interlagos)サーキット場の民営化が予定されている。
更にサンパウロ市の台所のメルカード・ムニシパウ(市営中央市場)及びメルカード・ムニシパウ金城大和(Mercado Municipal Kinjo Yamato)、トリアノンTrianon公園としてより知られている1982年に開園したテネンチ・アルフレッド・シケイラ・カンポス公園(Parque Tenente Alfredo Siqueira Campos)並びにサンパウロの中心部の北辺にあるルース駅隣接のルース公園などが挙げられている。
サンパウロ市のイビラプエラ公園を含む6公園は将来的な民営化を前提とした公民の共同経営権委譲のための入札が昨年末に実施されていたならば、サンパウロ市には16億レアルの臨時歳入に繋がった可能性があった。
またサンパウロ市は連邦政府からブラジルの公立医療機関のSUS(統一医療システム)並びに基礎教育開発・保守ファンド(FUNDEB-Fundo de Manutenção e Desenvolvimento da Educação Básica)の交付金7億2,200万レアル、交通違反による罰金20億レアルを見込んでいる。
多くの速度違反自動取り締まり装置や信号無視向けのレーダー探知機の保守点検で、2019年のサンパウロ市内の交通違反による罰金総額は16億レアルに留まっていた経緯があった。
2019年のサンパウロ市の投資許容総額は35億レアルの予算が見込まれていたが、35億レアルの投資向けに使用された一方で、一般歳出は予算の9.7%オーバーとなっていた。
サンパウロ市の一人当たりの投資額はロンドンの僅かに10分の1に留まっている。2014年の投資向け歳出は予算の8.6%を占めていたが、2017年は2.7%、2018年は3.8%、昨年は5.7%であった。
財政責任法(LRF)で定められている連保政府並びに地方政府(州・市)の支出総額の60%までに制限されている公務員の給与総額限度を超えて、財政責任法(LRF)を果たしていない州政府は11州に達している。
また財政責任法(LRF)では教育関連向けの最低支出比率は予算総額の25%、健康・医療関連向け支出は15%を定めているにも拘らず、歳入如何に左右されているのが現状となっている。
各市町村では、今年1月末までに今年度の基本予算リストを市会計院(TCM)に提出しなければならないが、大半の市町村では公務員給与支払いが市の財政の圧迫要因となっている。(2020年1月28日付けヴァロール紙から抜粋)