米国の貿易赤字問題を大統領選挙中から訴えてきたドナルド・トランプ大統領は、米国の経済及び雇用保護、米国に対する不公平な貿易慣行の是正に向けて2018年から特に中国に対して追加関税を発動した。
トランプ大統領の米国との貿易慣行の見直しで、中国をはじめとした諸外国との対抗措置導入などで自由貿易傾向から保護貿易への潮流が強くなってきている。
昨日2月10日にトランプ大統領は、ブラジルをはじめ中国、アルゼンチン、南アフリカ、インドなど20カ国以上の新興国に対して、「発展途上国リスト」から除外して一般特恵関税制度(GSP)対象国からの除外を発表した。
トランプ大統領は、今年1月に開催されたスイスの第50回年次総会であるダボス会議で、中国並びにインドは既に先進諸国に該当するため一般特恵関税制度(GSP)対象にはならないと批判していた。
米国通商代表部(USTR)は、中国の米企業への知的財産権侵害について行われた調査の結果、技術移転及び知的財産権、技術革新に関する中国政府の政策等は非合理かつ不公平であり、米国の通商に負担や制限をかけていると判断し、18年7月6日より818品目、追加措置として、翌月23日より279品目の中国製品を対象に25%の追加関税を発動していた経緯があった。
米国通商代表部(USTR)は、1998年に世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が2%と定めていたが、今回は0.5%に引き下げて一般特恵関税制度(GSP)の対象国を制限する。
昨年3月下旬に訪米中のジャイール・ボルソナロ大統領は、ワシントンのホワイトハウスで米国のドナルド・トランプ大統領と会談、トランプ大統領は、ブラジルの経済協力開発機構(OECD)への加盟の支持を表明した一方で、世界貿易機関(WTO)の協定違反に相当するブラジル製の自動車や電子機器を優遇するブラジルの優遇税制撤廃を要請していた。(2020年2月11日付けエスタード紙)