ペトロブラス石油公社は、岩塩層下(プレソルト)原油・天然ガス開発に資金を集中する目的で、コア事業以外のポートフォーリオ事業の資産売却を果敢に進めている。
同社は2019年に自社資産売却で総額163億ドル(710億レアル相当)に達する資金調達に成功した一方で、有望な埋蔵量が見込まれているプレソルト原油・天然ガス鉱区の落札をしたために、同社の昨年末の負債総額は788億6,000万ドル(3,430億レアル相当)を記録している。
同社は昨年の岩塩層下(プレソルト)原油・天然ガス開発入札で、膨大な埋蔵量が見込まれているサントス海盆のBuzios鉱区を落札、負債拡大の一因となっている。
ペトロブラスの2019年の1日当たりの平均石油・天然ガス生産(BOE換算)は300万バレルを突破、特にサントス海盆ルーラ油田の生産がプラットフォーム投入で大幅に拡大した。
昨年の同社の石油派生品販売は前年比2.58%減少の3,022億4,000万レアル、特にガソリン販売は、低調な国内経済やコンペチターのガソリン輸入が牽引して9.4%減少していた。
昨年のペトロブラス石油公社のディーゼル燃料販売は、全体の48・0%を占めてガソリン販売を抜いてトップ、輸出による売上比率は前年の18.1%から23.8%に上昇した一方で、石油派生品販売比率は全体の61.1%まで減少している。
ペトロブラス石油公社は2020年~2024年の次期5か年計画を発表、来年から5か年の投資総額は757億レアルに達するために、国内外の自社資産の積極的な売却を余儀なくされている。
同社は昨年4月にペトロブラスは、傘下のTransportadora Associada de Gas(TAG)の株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却している。
また同社は昨年11月に傘下の石油配給企業Liquigas社を37億レアルで、Copagaz社並びにItausa社、National Gas Butano社への売却で調印していた。
ペトロブラスは、昨年上半期にBR Distribuidora社の持株売却で86億レアルの資金調達して、9月末に自社の負債総額は900億ドルまで縮小、2020年末の負債総額は600億ドルまで縮小する予定となっている。
ペトロブラスは、2020年~2024年の次期5か年計画の投資総額の85%に相当する643億レアルをカンポス海盆並びにサントス海盆のプレソルト原油・天然ガス開発に投入する。
ペトロブラス石油公社は、プレソルト原油開発地域に2022年までに350億ドルを投資して13隻のプラットフォームを投入する計画であり、原油生産は毎年20万バレル増加を見込んでいる。
同社では2020年の1日の平均石油生産は270万バレル、2021年290万バレル、2022年は310万バレル、5か年計画の最終年の2024年には350万バレルに達する計画を立てている。(2002年2月20日付けエスタード紙)