第6回イノベーション研究会をジャパンハウスで開催

 2020年2月27日(木)午前10時15分~12時15分まで、サンパウロ・ジャパンハウスにて『第6回イノベーション研究会(プロ投資家の新規事業の評価方法)』が開催され、会議所会員企業や関係者、その他参加者総勢約50名が参加した。サンパウロ日本国総領事館、一般社団法人WAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)、ジャパン・ハウスサンパウロ、ブラジル日本商工会議所の共催で行われた。

 はじめにジャパン・ハウスのCarlos Roza副館長より挨拶があり、続いて会議所の平田藤義事務局長が開会の挨拶を行った。平田事務局長は挨拶の中で、ブラジルには多くの社会問題が存在する一方で、遡れば90年代に既にアメリカ以上に銀行オンラインシステムが発達、また日本の23倍の国土を持ちながらも選挙投票システムにオンラインを採用し5時間で開票、確定申告も既にペーパーレス化でオンラインのみ、といった世界でも稀に見るテクノロジーの導入が進んだ国でもあり、そういった土壌で多くのイノベーションスタートアップ事業が生まれていることを説明。ブラジルには行商も含めれば約2000万の零細企業が存在、日本に多数いる出稼ぎブラジル人も大いに活用しながら、日本の中小企業も元気に海外市場、是非特にビジネスチャンスに溢れるブラジルへの進出を行い日本経済を活性化して頂きたいと述べた。

 イノベーション研究会の幹事でありLATIN AMERICA CONSULTING/ブラジルベンチャー・キャピタル代表の中山 充氏が司会を行いWAOJE(https://waoje.net/)の概略、サンパウロ支部を紹介、パネルディスカッションではモデレーターを務め、WAOJEから今庄啓二氏、吉崎浩一郎氏、大冨智弘氏が登壇しディスカッションが行われた。

 WAOJEとは海外を拠点に活躍する日本人起業家のネットワークであり、現地に根を張り現地の市場を相手にビジネスを行う日本人起業家同士が都市や国を越えてつながることで、新たなビジネスチャンスを生み出すことを目的として設立された。現在は13カ国25支部で活動を行い、ネットワーク構築、会員に対する有意な出会いの提供、経営支援サービスを行っている。中でもグローバル会員として活発な活動を行う上記3氏から、これまでの豊富な経験に基づく観点から海外における新規事業の注意点や起業家の評価方法などについて、内容の濃い説明、ディスカッションが行われた。

 質疑応答の時間で平田事務局長は、日本のGDPがここ20年間ほぼゼロ成長であり、GDPの1年分の額に匹敵するとも言われる日本企業の内部留保をこれから積極的に投資へ回していくことがデフレ脱却、賃上げ、経済の活性化に還元するのではないか、と感想を述べた。

 最後に野口 泰在サンパウロ日本国総領事より閉会の挨拶があり、イベント主催者への謝意とともに、ジャパン・ハウスサンパウロの日本企業PRの場としての活用や各種規制の緩和化を進めるボルソナーロ政権への期待感を後押しし、日本企業を全面的に支援していきたい旨が述べられた。

PdfWAOJEの紹介パンフレット

WAOJEサンパウロ支部の連絡先https://www.facebook.com/Waoje-Sao-Paulo-258350258148950/

登壇者3氏(左から大冨氏、吉崎氏、今庄氏)と中山氏

中山氏執筆の『中小企業経営者が海外進出を考え始めた時に読む本』とニッポン再発見倶楽部出版で事務局長が後書きを寄せた『世界が感謝!日本のもの(O Mundo agradece ! Coisas do Japão)』を紹介する平田事務局長

( fotos: Câmara Japonesa)

閉会挨拶を行う野口総領事

(foto:在サンパウロ総領事館提供)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=46929