新型コロナウイルスへの不安でIbovespaが3月12日に14.78%の値下がり。ダウ・ジョーンズは1987年以降で最悪の9.99%、S&P 500は9.51%、ナスダックも9.43%の大幅安となった。
金融市場は3月12日も、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な大流行に端を発した世界的な混乱の1日となった。世界経済に与える影響が不透明な状況に加えて、市場を驚かせたヨーロッパからのアメリカ入国を規制するという米ドナルド・トランプ大統領の判断が投資家のパニックに拍車をかけ、この日1日、世界の株式市場を一時的にも取引停止にするなどの影響を及ぼし、ニューヨーク市場では過去30年以上で最悪の値下がりを記録した。
ブラジル国内では、ブラジル証券取引所(B3:Brasil Bolsa Balcão)が2回にわたってサーキットブレーカーを発動して一時的に取引を停止した。最初のものは午前の取引、さらに午後にも19%値下がりした時点で発動した。サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が持ち直したのは、連邦準備制度理事会(FRB)が市場に1.5兆ドルを注入することで新型コロナウイルスが経済に与える打撃を最小限に抑えようとする判断を下したてからである。
結果として、Ibovespaは前日比14.78%値下がりして72,582ポイントで取引を終えた。この下げ幅は、1998年月以来の大きなものである。またドル為替相場はこの日午前に1ドル=5レアル台までレアル安が昂進したが、最終的に前日比1.41%レアル安の1ドル=4.79レアルで取引を終えた。国内では、継続給付恩典(BPC:生活保護給付)の問題を巡って政府が国会で敗北、国庫に附帯的に200億レアルの負担がかかることへの投資家の嫌気が、市場のムードの悪化を後押しした。
テンデンシアス・コンスルトリア・インテグラーダのエコノミスト、シルビオ・カンポス・ネット氏は、「とは言え、市場のリアクションの大部分は、国外から届けられるニュースが引き金になっている」と話す。同氏によると、投資家が想定するシナリオの中で、航空会社とサービス会社を中心に、企業の経営破綻の可能性が比重を拡大しつつあるという。
このように多くの懸念が生じていることで、12日の世界の株式市場は、B3に見られたように、新たな破壊的な1日を経験することとなった。ウォール街では、主要な指標が歴史的な暴落を記録し、同様にサーキットブレーカーを発動した。ダウ・ジョーンズの場合、-9.99%という1987年以来の最悪の結果となり、スタンダード・アンド・プアーズのS&P 500も-9.51%、ナスダックも-9.43%を記録した。
FRBの対策以外には、欧州中央銀行(ECB)も同様に経済支援プログラムを発表した。ただし、新型コロナウイルスの感染がドイツとフランスで増加したというニュースによってリセッションへの懸念が高まった。ミラノ証券取引市場は-16.92%、マドリード市場は-14.06%、フランクフルト市場は-12.24%、ロンドン市場は-10.87%を記録した。
「このような極端なパニックは、経済に与える影響がどのようなものになるのかが誰にもわからないという事実に基づいたものだ。2020年が失われた1年になるという可能性は、既に投資家の予測の片隅に首をもたげ始めている」と、カンポス・ネット氏は説明した。またブラジルの5年満期のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、これはその国のリスクのバロメーターでもあるが、過去数日で急激に上昇して12日には370ポイントを記録した。11日には225ポイントだった。さらに2月末の時点でCDSは、95ポイントだった。(2020年3月13日付けエスタード紙)