世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、今後数か月間にわたって先進諸国や新興国を問わず世界中が経済活動が壊滅的な打撃を受けるために、各国の中銀は一斉に今年のGDP伸び率の大幅な下方修正を余儀なくされている。
今月26日中銀は四半期のインフレレポートで、今年のブラジルのGDP伸び率を年初予想の2.2%増加から一転して0.0%に下方修正。新型コロナウイルスの感染拡大の終焉が長引けばマイナスに振れる可能性も否定できない。
先週パウロ・ゲーデス経済相は、今年のGDP伸び率を0.02%に設定したにも関わらず、GDPが2四半期連続でマイナス成長を記録して景気後退局面に入るテクニカル・リセッションの可能性も否定していない。
ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、ボルソナロ政権初年度の2019年のGDP伸び率は、1.1%と過去3年間で最低の伸び率を記録、2017年および2018年のGDP伸び率はそれぞれ1.3%増加を記録していた。
中銀の通貨政策委員会(Copom)は、今月18日に政策誘導金利Selicを6回連続となる4.25%から0.5%引き下げて3.75%に決定、過去最低のSelic金利を記録している。
中銀は新型コロナウイルス感染拡大に伴って、民間銀行を中心にクレジット縮小を余儀なくされるが、今年のクレジット伸び率を前回予想の8.1%から半減の4.8%と大幅な下方修正をしている。
今年のクレジット全体の伸び率は8.1%から4.8%に下方修正、個人向けクレジットは12.2%から7.8%、法人向けクレジットは2.5%から0.6%増加にそれぞれ大幅な下方修正を余儀なくされている。
今年の社会経済開発銀行やポウパンサ預金の資金提供による貸付先限定クレジットを除く、金利設定や貸付先自由のクレジットの伸び率は前回予想の12.9%から8.2%に下方修正、そのうち個人向けクレジットは15.4%から10.0%、法人向けは9.7%から6.0%伸び率にそれぞれ下方修正されている。
今年の社会経済開発銀行やポウパンサ預金の資金提供による貸付先限定クレジット伸び率は、前回予想の1.6%増加から昨年並みに下方修正。そのうち個人向けクレジットは8.1%から5.0%と大幅な下方修正となった一方で、法人向けは8.6%から8.0%と微減になると予想されている。(2020年3月26日付けエスタード紙サイトより抜粋)