州政府並びに全国約5,700市で構成される地方政府の2020年の財政プライマリー収支は90億レアルの黒字が予想されていたにもかかわらず、新型コロナウイルス(COVID-19)によるブラジル国内の社会・経済の危機的状況に直面しているために、地方政府の歳入が半減すると予想されている。
地方政府の各州知事や各市長は、新規借り入れ並びに連邦政府、銀行並びに借入を抱える国際金融機関への負債支払い繰り延べの要請を余儀なくされている。連邦政府は新型コロナウイルスのパンデミックの影響を最小限に抑えるための社会弱者救済並びに雇用維持するために、緊急財政支出など国家予算を無視した財政支出を余儀なくされている。
今年の国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字1,241億レアルを大幅に上回る4200億レアルの赤字に達すると予想されている。また地方政府の今年の財政プライマリー収支は当初予定の90億レアルの黒字から一転して、400億レアル~440億レアルの赤字に反転すると予想されている。
3月末の今年の連邦政府の財政プライマリー収支は、壊滅的な緊急財政支出を強いられるために3,500億レアルの赤字に達する可能性を国庫庁のMansueto Almeida長官は示唆していたが、地方政府でも大幅な赤字への転落が避けられない。
国庫庁のMansueto Almeida長官は地方政府の救済目的の65億レアルに達するMansuetoプランと呼ばれる連邦政府の地方政府への交付金支出で交渉中であるが、Paulo Guedes経済相率いる経済班は、地方政府の今年の財政プライマリー収支を300億レアルの赤字に収めることを要請している。
国会では新型コロナウイルス対応の非常事態宣言(カラミダーデ・プブリカ)の期間中の地方政府に対する財政支出規定の変更を模索、これには国庫庁が保証機関となっている地方政府の償還期間以内に返済できない負債の肩代わりを余儀なくされている2016年末の財政緊急事態宣言の発表を余儀なくされたリオ州、また南大河州並びにミナス州なども含まれている。(2020年4月7日付けエスタード紙サイトから抜粋)