パンデミックで化学品の輸入が20年3月に記録を更新(2020年4月16日付けバロール紙)

ブラジル国内で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が始まり、2020年3月の貿易収支にその影響が現れた。パンデミック対策に関連した中間投入財の輸入が後押しし、3月としては化学品の輸入量が過去最高を記録、金額ベースでも3月としては2014年以来の大きなものとなった。ブラジル化学工業協会(Abiquim)が明らかにした。医薬品や肥料の製造に必要な原料や、衛生対策で必須となる塩素の輸入が全体を牽引した。

同協会によると、化学品の輸入は3月、前月比+36.1%となる420万トンを記録した。金額ベースでも前月比+10.8%の32億ドルだった。3月の輸入品目リストの中では、とりわけ医薬品が、金額ベースで+27.8%の2億3,400万ドル、数量ベースでは1万0,500トンを記録した。また塩素と塩基品の輸入は+53.9%の6,390万ドル、数量ベースでも+56.5%の42万3,700トンに達した。

更に食糧安全保障を確実にするために不可欠とされる中間投入財の輸入も同様に拡大した。Abiquimによると、肥料用の中間投入財の輸入が金額ベースで+48.9%の5億6,400万ドル、数量ベースでは+46.0%の240万トンを記録した。

Abiquimのシーロ・マリーノ会長は先週、パンデミックが業界に与えた影響のひとつが医薬品有効成分(API)などの基幹化学品の国内生産再開の可能性だとコメントしていた。この問題は既に連邦政府と財界の協議で取り上げられている。「医薬品や食品など、バイオセーフティーに関する議論も行われている」と同会長は言う。

同協会のレポートによると、化学業界の貿易赤字は、2020年第1四半期(1―3月期)、この期間に例年見られる動きと逆行して2.4%減少し68億ドルにとどまった。製品の輸入額は合計95億ドルで、前年同期比-3.9%だった。一方、輸出は同-7.2%の28億ドルで、2009年以来の低水準にとどまった。

1月から3月の化学品輸出入を数量から見ると、この期間の輸入量は前年同期比+3.2%の1,070万トン超で、同協会によると「実質的にすべての品目、とりわけ有機化学品(+23.1%)と、樹脂及びエラストマー(+9.6%)で大きな伸びを記録した」という。また第1四半期の輸出量は370万トンで前年同期比+20.7%だったが、輸出品目は焼成アルミナに集中していた。(2020年4月16日付けバロール紙)

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