パンデミック危機でマイカーローンが20年3月末から20日以上にわたって中断(2020年4月16日付けバロール紙)

 マイカーローンが20日前から停止している。銀行に持ち込まれる審査の大部分は、ローン期間の再交渉を希望する顧客による相談である。業界が柔軟に対応を進めているものの、全国自動車メーカー系金融会社協会(Anef)のパウロ・ノーマン会長は、4月に業界が抱える債務不履行のケースは30%から40%増加すると予想している。

 ノーマン会長によるとこれは、既に2018年の年明けから6.6%前後で推移してきた履行遅滞が、8%を上回ることを意味する。ただし債務不履行の拡大についてノーマン会長は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大がいち早く始まった国々で発生している状況をなぞっているもので、ブラジルでも予想されていたことだと話す。同会長によるとヨーロッパでは30%前後の増加、中国は50%に達する増加を記録した。

 自動車メーカー関連の12銀行を代表するAnefのノーマン会長は、ビジネスが停滞する中での丸1か月の取引台数は、COVID-19のパンデミックが発生して経済が停止する前のわずか1日で記録していた台数に近い水準になると受け止めている。ただし自動車市場が成長する足取りに対して融資はその後20日追走する形になるため、数日内に発表される見通しの3月のデータはCOVID-19のパンデミックで発生した新たな現実を反映はしないと同会長は強調した。

 さらにノーマン会長は、各社のサイトのアクセスを管轄する販売スタッフから提出された証言をもとに、「消費者はディーラーの店舗を訪問しなくなっただけでなく、インターネットでの検討すらしなくなった状態だ」と強調した。この結果、誰も融資のチャネルをサーチしていないという。

 現代自動車のアンジェル・マルティネス営業担当副社長は、ブラジル国内で債務不履行の水準が上昇するとした上で、ブラジルの消費者には可能な場合はいつでもおよそ30%という大きな頭金を支払うという傾向があり、諸外国と比較して影響は軽微だという見方を示した。

 既に審査が通った融資案件に対する条件の再交渉に加えて、自動車メーカーに関連する金融機関は、一般の商業銀行同様に顧客に60日の免責期間を提供すると発表した。

 またフォードは数日前から、3月31日以降に支払期日が来る支払いの最大3回分をローン契約の最終支払期日に移転できると顧客に対して通知を始めた。

 「今の時期に自動車を購入することに二の足を踏んでいる消費者を呼び込むべく、各社がそれぞれに知恵を絞っている」とノーマン会長は言う。一方で同会長は、一部の商業銀行がマイカーローンの提供を縮小していることも把握しているという。

 自動車メーカー関連の銀行は、消費者向けのローン以外にもディーラーの車庫に止められている流通在庫に対する融資も担う。こちらでも、様々な交渉が進んでいる。例えば1年前から営業を開始したバンコ・ヒュンダイの場合、既に在庫品の支払期日を先延ばしした。

 COVID-19のパンデミックが発生する以前、国内で販売される自動車のほぼ半数が、一括販売だった。だがノーマン会長は、パンデミック以降、多くの家庭が収入を減らしており自動車の購入代金を一括で支払うことを希望しなくなり、この水準も低下すると予想している。「消費者は手持ちの資本を縮小することを希望しないだろうし、そのためにより長期のローンを求めることになるだろう」と同会長は指摘した。

 さらに、頭金を設けない様々な特売プランが消費者に提示された「2015年と2016年の状況に戻る」とノーマン会長は予想している。ただ今のところ、金利は月利1.17%前後で維持されている。パンデミック危機が発生する以前、最長のマイカーローンは42か月だった。

 ノーマン会長はまた、レンタカー業界からの需要が減少していると推察している。この業界の企業は大きなロットで融資を受けて自動車メーカーの直販を通じて車両を調達している。「レンタカー業界は、観光市場の縮小から打撃を受けつつある」という。

 しかし全体として見れば銀行は、消費者がマイカーを購入するためにローンを再び組み始めるのがいつになるのか、はっきりと把握しきれていないのが現状だ。「今の段階で出される予想は何であれ、出まかせの推測だ」とノーマン会長はコメントした。(2020年4月16日付けバロール紙)

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