今年第1四半期の経常収支赤字は152億ドルで過去5年間で最悪

24日中銀の発表によると、2020年第1四半期の経常収支赤字は、前年同期比1.32%増加の152億4,200万ドルを記録、2015年以降では最高の経常収支赤字を記録している。今年第1四半期の経常収支赤字が過去5年間で最高の赤字を記録した要因として、貿易収支が僅か36億3,600万ドルの黒字に留まり、前年同期の75億5,700万ドルの黒字の半分以下に留まった。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、3月11日の定例記者会見で「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)」と認めた。それ以降はパンデミック拡大の影響で、世界的貿易の加速的な縮小に伴って、ブラジルの輸出も大きな影響を受けている。

貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支の4項目から構成される経常収支のうち、今年第1四半期の経常収支はサービス収支並びに所得収支の赤字幅減少が牽引。サービス収支は前年同期の75億4,400万ドルの赤字から68億5,200万ドルの赤字に減少している。

また今年第1四半期所得収支は前年同期の150億5,600万ドルの赤字から120億2,700万ドルの赤字に30億ドル以上減少していた。

2019年のブラジルの経常収支赤字は前年比22.0%増加の507億6,200万ドルであったが、今年の経常収支は、新型コロナウイルのパンデミックの影響で410億ドルの赤字に縮小すると予想されている。

今年第1四半期の海外投資家による対内直接投資は前年同期比5.18%増加の192億3,500万ドルを記録していると中銀は発表。今年第1四半期の対内直接投資192億3,500万ドルは、同期の経常収支赤字152億4,200万ドルを40億ドル上回っており、充分に経常収支赤字をカバーしている。2019年の対内直接投資総額は785億5,900万ドルであったが、今年は600億ドルの黒字に留まると予想されている。(2020年4月24日付けエスタード紙サイトから抜粋)

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