フォルクスワーゲン・ド・ブラジル(VW)が、ブラジル国内で展開する工場の操業を2020年5月から再開する方針。国内の4工場のいずれでも、組み立てラインに対して1直のみとし、漸進的に生産を再開する。
工場の再開は、工場のある各州政府が検疫隔離措置を緩和するのと歩調を合わせて行われる。ただ、検疫隔離措置が緩和に向かっているとはいえ様々な数字からブラジルは、新型コロナウイルス(COVID-19)の国内感染がピークに達したとは到底言えない状況である。
4月23日にバーチャル記者会見を開いたパブロ・ディ・シ(Pablo Di Si)CEOによると、3か月以内に自動車工場では、ほぼ3年分の対ブラジル投資額に等しい現金預金を溶かしつくすという見方を明らかにした。
ディ・シCEOによると、5月の操業再開では、すべての社員と従業員に対して、厳しい体温管理と衛生管理を実施し、さらに会社の敷地内での社会的距離の確保を徹底する。
このように、操業を再開はするもののディ・シCEOは、新型コロナウイルスによって引き起こされた変化、採用された対策は今後も維持されるという見方を示した。その一例として同CEOは、2020年末までマスコミと対面で面会に応じることはないとコメントした。また事業展開に関しては、ニューモデルのNivusは予定通り6月末までに販売店の店頭に並ぶと強調、アルゼンチンで製造する中型SUVのTarekは2020年末にリリースすることを明らかにした。Tarekは中国市場に投入している同名モデルの派生品で、T-CrossとTiganの間を埋めるポジションとなる。(2020年4月24日付けバロール紙)