パンデミック危機1ヶ月後の銀行のクレジットは22%増加(2020年4月27日付けエスタード紙サイトより抜粋)

ブラジル銀行協会連盟(Febraban )の調査によると、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック危機直後の3月16日~4月17日までの1か月間のブラジルの5大銀行の個人向け並びに法人向け新規クレジット総額は、前年同期比22.0%増加に相当する2,660億レアルを記録している。   

ブラジル銀行協会連盟(Febraban )のIsaac Sidney会長は、ブロードキャストのインタビューで、「クレジットの与信強化や貸し渋りははない。逆に一般消費者や企業経営者のクレジット需要に応じている」また「信用リスクと借入コスト増加にも拘らず、昨年同期よりも22%もクレジット拡大」と回答している。

中銀は銀行システムを支えるために金融市場に1兆2,000億レアルを注入、パンデミック危機直後から各銀行は、すでに借り入れている負債の60日間の返済猶予を与えている。

パンデミック危機直後1か月間の5大銀行は総額2,306億レアルに相当する380万件のクレジット契約の見直しを余儀なくされ、クレジット返済再交渉の総額は222億レアルに達しているとブラジル銀行協会連盟は説明している。

各銀行ではパンデミック危機シナリオのモニタリングを行っており、60日間のクレジット返済猶予期間を延長し始めている。先週イタウー銀行は個人向けクレジットの返済開始を120日まで延長、法人向けクレジットは180日に延長している。

5大銀行のこの期間の個人向けクレジットの契約見直しや分割支払い停止など700億レアル以上に達している。パンデミック期間中の失業や給与カットの可能性が高まっている中で、分割支払い停止総額は140億レアルに達しており、負債を抱えている人には一息つける救済となっている。

また新規契約、契約見直しや分割支払い停止などの法人向けクレジット総額は1,893億レアル、そのうち大企業のクレジット総額は1,160億レアル、零細・中小企業は426億レアルとなっている。

クレジットの再交渉では負債を抱えている人の金利据置きを行っており、零細・小規模の新規クレジットの金利は据え置きにしているが、中・大企業向けクレジットは経済悪化の状況下では不渡りリスクと銀行の資金調達コストアップで金利変動は避けられないとIsaac Sidney会長は説明している。

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