資源大手ヴァーレ社の第1四半期の純益は9億8,400万レアルの黒字計上(2020年4月29日付けエスタード紙)

昨日28日の資源大手ヴァーレ社の2020年第1四半期の決算発表では、純益総額は9億8,400万レアルの黒字を計上、昨年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故で、鉄鉱石生産が大幅に減産した影響を受けた昨年同期の64億レアルの赤字から一転して黒字となっている。

「ヴァーレ社は、新型コロナウイルのパンデミック対応で従業員やその家族の健康と安全を最優先する計画を作成しているが、決壊事故を起こしたブルマジーニョ鉱山ダムの保守や環境改善、事故再発防止などに継続して投資する」とEduardo Bartolomeo社長は説明。また「ヴァーレ社の目的は、世界て最も安全で信頼を得る鉱山会社になる継続した努力の維持」と付け加えた。

今年第1四半期の鉄鉱石並びにパレット販売は、レアル通貨に対するドル高の為替で前四半期比98億レアル減少の313億レアルと前年同期並みに留まった。

また2016年末から操業開始したパラー州カラジャス鉱山S11Dシステムの含有量の高い鉄鉱石生産は、長雨の影響で大幅な生産減少を余儀なくされていたものの、新型コロナウイルのパンデミックの影響は未だ及んでいない。

今年第1四半期のヴァーレ社の利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)は、2月初めのミナス州最大の鉄鉱石生産を誇るブルクツ鉱山のラランジェイラス鉱滓用ダムの操業許可停止による生産減少並びにドル高の為替の影響で129億レアルに留まった。また前四半期比では16億レアル減少している。

「ドル高の為替は売り上げに寄与する。しかし今後の新型コロナウイルス感染拡大で幾つかの鉱山の操業停止の可能性は避けられない。含有量の高い鉄鉱石の需要と供給バランスでは、鉄鉱石の国際コモディティ価格の強気の上昇圧力につながる」とMirae Asset社アナリストのPedro Galdi氏は説明している。

新型コロナウイルのパンデミック危機でもブラジルで最も流動性の高い企業であるヴァーレ社の3月末の負債総額は前四半期比1.4%減少の48億800万ドル、前年同期比では60%と大幅な減少を記録して過去12年間で最低の負債総額迄減少している。

ヴァーレ社は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、資金調達に困難をきたしている中小規模のサプライヤー3,000社に対して、3月に1億7,100万レアルの前払いを行った。また4月末までに総額9億3,200万レアルに達する支払期限前の前払い用の運転資金クレジット枠を設定している。。

新型コロナウイルのパンデミックの影響を受けていない今年第1四半期の鉄鉱石生産は、目標の6,300万トン~6,800万トンを下回る5,960万トン、前四半期比23.9%減少、前年同期比18.2%減少している。

今後新型コロナウイルのパンデミックの影響を考慮して、今年の鉄鉱石生産は前回予想の3億4,000万トン~3億5,500万トンから3億1,000万トンから3億3,000万トンに下方修正されている。

ヴァーレ社は競合他社のリオ・ティント社に続いて、世界の鉄鉱石供給の減少予想で、今年の鉄鉱石の国際コモディティ価格は1トン当たり80ドル~90ドルを維持すると予想している。

同社は今年第1四半期の投資総額は11億2,400万ドル、そのうち1億4,500万ドルは開発プロジェクト、9億7,900万ドルはオペレーションメンテナンスに充てられた。今年の投資総額は46億ドルが見込まれている。昨年の投資第1四半期の投資総額は6億1,100万ドルであった。

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