2020年の輸出が最悪の場合は前年比-20%とIpeaが予想(2020年4月29日付けバロール紙)

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに伴って世界貿易が減速する中、原油需要の縮小が中心となりブラジルの輸出は、2020年に前年比-11%から最悪-20%を記録する見込み。経済省応用経済調査院(Ipea)が4月28日に新たな分析として発表した。パンデミック危機で、2020年のブラジルの輸出額は2,000億ドルを下回る見込み。経済省のデータによるとブラジルは、2019年に2,254億ドルを輸出した。

Ipeaによると2020年は輸入も20%減少しておよそ1,400億ドルにとどまる見込み。Ipeaの研究者らは、国際通貨基金(IMF)と世界貿易機関(WTO)が発表している世界のGDPと各国の輸入に関する予測を考慮して今回の数字を算出した。結論としてIpeaは、WTOとIMFの最も楽観的な見通しの中間をとったシナリオ、すなわち世界のGDPが2020年に-2.5%から-3.0%を記録するという想定を採用した。

また2021年に関してIpeaは、2つのチャネルからブラジルの貿易が回復すると予想している。すなわち、2,300億ドルを上限に輸出が前年比+10%から+15%を記録し、輸入は社会的・経済的な危機に直面して落ち込んだ2020年の水準を20%上回る可能性がある。この場合、2021年の輸入は1,640億ドルに達する。ただし、想定し得るあらゆるシナリオを採用したとしても2021年の輸入額は、1,773億ドルを輸入した2019年の水準を下回る。

一連の研究では、製品グループごとの輸出の変化についても予測している。IMFが予測するシナリオに基づきIpeaは、ブラジルの原油輸出が2020年に前年比-39.8%と予測、さらに2021年には+11.7%と回復すると判断している。この原油の輸出動向は、「予想される急激な需要の低下と国際相場の下落」が原因だという。

鉄鉱石輸出も同様の状況に打撃を受けるものの、2020年の落ち込みは-15%にとどまり2021年には+7.5%と、変動曲線はより滑らかに推移する見込み。それ以外の半製品と工業製品は、2020年にそれぞれ前年比-18.4%と-17.2%、2021年にはいずれも+9.8%の回復を見込む。

農畜産品の輸出は大きな影響を受けないとIpeaは予想している。大豆の場合、2020年の落ち込みはわずか-0.5%、しかも2021年には+13%を記録する見込み。食肉輸出は2020年に-5.5%となるが2021年は+11.5%を記録する。またその他の一次産品は、平均で、2020年が-4.7%、2021年は+10.9%を見込む。

Ipeaによると、農畜産品の輸出への打撃が軽微にとどまる理由は、世界経済の低迷期において農業コモディティーの大規模な輸入国である中国を中心にアジア諸国のパフォーマンスがより堅調なことと、所得の変動が食品の需要に与える打撃はその他の品目と比較すると軽微なことによる。

またパンデミック危機を通じてブラジルの輸出会社は、特定の品目への集中を強めるとIpeaは受け止めている。すなわち、大豆及び大豆派生品と、食肉、鉄鉱石及び原油で、これらは2019年まで全体の42.4%を占めた。だがIMFの分析に基づいた予測では、パンデミック危機のトンネルを抜ければその比重は46.2%に高まっているとIpeaは指摘した。(2020年4月29日付けバロール紙)
 

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