2020年4月のICSでサービス業にもパンデミック禍が直撃していることが判明し第2四半期のGDPにも赤信号(2020年4月29日付けバロール紙)

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて国内の経済活動の70%を占めるサービス業界の経営者信頼感指数が2020年4月に記録的な落ち込みを観測したことにより、第2四半期(4―6月期)のGDP成長率にも赤信号が点灯している。

ゼツリオ・バルガス財団(FGV)が4月28日にサービス信頼感指数(ICS)として発表したもので、同財団のエコノミスト、ロドルフォ・トブレル氏は同指数の変動から国内経済が危険な状況にあると警告した。

3月から4月にかけてICSは、51.7ポイントから31.7ポイントに急落した。2008年6月に計測を開始したICS史上最大の下落幅となっただけでなく、ICSとしても過去最低を記録した形。

トブレル氏は、ICSが5月にも再び下落する可能性があると受け止めている。その理由として同氏は、COVID-19の国内感染が拡大中でサービス業が事業を正常化するのを予測できないためだと指摘した。「短期的には、サービス業が継続的な回復に向かうことはないと認識している」という。

4月のデータが発表される前の時点で、2番目に激しい落ち込みを記録するのは3月の-11.6ポイントになるとトブレル氏はコメントしていたが、4月に観測されたICSの急落の内訳にも注目している。というのも景況感の悪化は、ICSを構成するいずれの副指標においても確認されたためだ。現況指数(ISA)の場合、3月から4月にかけて29.7ポイント下落し55.5ポイントにとどまった。期待感指数(IE)はさらに大きく33.5ポイント減となり、47.3ポイントまで落ち込んだ。いずれの下落幅も、副指標として過去最大だった。

COVID-19のパンデミックという状況下で、食品の配達や食糧の輸送といった特定のサービスで需要が増加しているものの、現在の悲観的なシナリオの揺り戻しには貢献していないとトブレル氏は分析。「主要な業種のすべてがパンデミックによる打撃を受けている」とコメントした。

こうした状況は、サービス業の導入済設備率指数(NUCI)によっても確認できる。4月のNUCIは、2013年4月に計測を開始して以降で最低となる79.5%で、3月比で2.5ポイント下落した。

サービス業界のこうした状況は第2四半期のGDP、それどころか上半期のGDPにも打撃を与えるものだと同氏は受け止めている。というのも、現在のパンデミック危機が3月中旬に激しさを増したためだ。このことはすなわち、実際には、現在のパンデミック危機がサービス業界の経済活動に打撃を与えるのは5月と6月、7月になるという事情による。

「実際のところ、2020年はサービス業界にとり極めて大きな困難を伴う1年になるだろう」とトブレル氏は総括した。大部分の需要が消滅せずに累積的に先送りされるという状況で対応している工業と商業とは異なり、サービス業界では失われた需要にそうした側面はないと同氏は指摘した。

「例えば耐久消費財を購入しようとしていた場合、現在のパンデミック危機を目の当たりにして年末まで見合わせる。だが、年末に旅行したからといって現在の宿泊料と合わせて2部屋分の料金を支払う消費者はどこにもいない」とトブレル氏は指摘。その上で、「現在のパンデミック危機では、サービス部門への影響が最も大きい。4月のICSに明るい要素を見いだすのは困難だ」とコメントした。(2020年4月29日付けバロール紙)

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