パンデミックで化学品メーカーの一部は設備稼働率が50%まで下落(2020年4月30日付けバロール紙)

化学業界では、感染を拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)への対策や感染者の治療といった分野に関連した一部のメーカーがフル稼働体制で生産に当たっているが、残りのメーカーはむしろ全く異なる現実に直面している。国内化学品メーカーをまとめるブラジル化学工業協会(Abiquim)が実施した調査によると、業界の半数の企業で2020年4月の設備稼働率が50%から60%となっており、調査に回答した企業の30%が、従来のペース、およそ70%の設備稼働率を維持していると回答した。

Abiquimのファッチマ・ジオバンナ・コビエロ・フェレイラ経済・戦略問題担当理事によると、業界の企業で例えば衛生品や消毒剤、保健関連品に関係しているところは業績が上向いているが、一方で自動車業界あるいは土木建築業界に関連した製品を製造するメーカーは顧客がパンデミックにより操業に影響を受けていることから業績を悪化させている。「企業に比重を置いて状況を逐次確認した4月のレポートがまとまれば、COVID-19の影響がより明確になるだろう」という。

Abiquimは定量調査を月2回実施しており、次回の調査では業界に対する信用供与と投資、業界が準備を進めている再開プロトコルに関してモニタリングを実施する予定だ。同協会によると最初の調査で「相当数の」業界企業から回答が寄せられた。

フェレイラ理事によると、2020年3月までに集められたデータから、第1四半期(1―3月期)は需要が拡大して業界のパフォーマンスを改善、過去12か月間に累積していた損失の一部を縮小する効果も発揮した。「だがこうした流れは、4月には中断したと受け止めている」と同理事は言う。1月から3月にかけて化学業界は、化学製品の需要が+4.4%と回復を続けた。だが4月に入ってから、販売は大きく減少したものと同協会は受け止めている。(2020年4月30日付けバロール紙)
 

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