ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2020年3月の鉱工業部門生産は、新型コロナウイルのパンデミック危機対応の操業停止や自粛の影響を受けて前月比マイナス9.1%、前年同月比マイナス3.8%と5ヶ月連続でマイナスを記録、今年第1四半期の鉱工業部門生産はマイナス1.7%、今年3月の過去12か月間ではマイナス1.0%を記録している。
「今年3月の鉱工業部門生産はパンデミック対応のインパクトで2月とは比較ならない。 2018年5月末から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題発生時の落込みを超えている。また調査対象の26セクターのうち23セクターで落ち込んでいる」IBGEのAndré Macedoマネージャーは説明している。
今年1月の鉱工業部門生産は前月比1.2%増加、2月は0.5%増加したが、3月がマイナス9.1%と大幅に落ち込んだ要因で、今年第1四半期の鉱工業部門生産はマイナス1.7%を記録。ブロードキャストプロジェクションの今年の鉱工業部門生産はマイナス9.8%~マイナス2.2%予想、平均予想はマイナス5.0%と2016年のマイナス6.4%以降では最高の落込み予想。昨年の鉱工業部門生産はマイナス1.1%であった。
ジェツリオ・バルガス財団(FGV)の発表によると、今年3月の鉱工業部門の設備稼働率(NUCI)は、前月比マイナス0.9ポイントの75.03ポイント。全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、今年3月の新車生産は前月比マイナス6.97%の18万9,958台、前年同月比ではマイナス21.10%と大幅な落ち込みを記録している。
今年3月の鉱工業部門の消費電力は、昨年3月のカーニバル休暇よりも営業日数が4.5%多かったにも拘らず、パンデミック対応で生産減少を余儀なくされたために前年同月比マイナス1.5%を記録している。ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、今年3月のブラジル国内の粗鋼生産は前年同月比マイナス8.2%に留まった。
ABC Brasil銀行シニアエコノミストのDaniel Xavier氏は、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.0%~マイナス1.3%、鉱工業部門のGDP伸び率がマイナス8.5%予想で足枷となるために、今年のGDP伸び率はマイナス4.0%を予想している。