リカルド・サーレス環境相は、covid-19パンデミック危機でブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)の予算削減、遠隔地の職員削減の影響で、アマゾン流域の熱帯雨林の違法伐採防止に障害となっている。
またボルソナロ大統領が昨年1月に就任後、Ibamaの予算はさらに25%削減されており、違法伐採、放火等の容疑者を摘発し、罰金を科し、逮捕するなどの摘発行動をとるIbama職員の熱帯雨林の違法伐採を摘発部門の職員は過去10年で大幅に削減されてきた経緯があり、アマゾン流域の熱帯雨林の違法伐採は前政権も責任があるとサーレス環境相は指摘している。
先週金曜日のブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)での衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査で、今年4月のAmazônia legal地域の熱帯雨林の違法伐採は前年同月比64%増加している。
また新型コロナウイルスのパンデミックで充分な予算や人的資源不足で、アマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採の取締まりに障害になっているが、来年は大幅な違法伐採防止に向けて対策を練るとサーレス環境相は説明している。
アミルトン・モウラン副大統領が発表した新たなアマゾン違法伐採摘発作戦“第2ブラジル緑作戦-Operação Verde Brasil 2”の発表会に参加したサーレス環境相は、Ibama職員は第2ブラジル緑作戦中の違法伐採などは軍部に報告する必要があると説明。今年4月のアマゾン流域の熱帯雨林の違法伐採は406平方キロメートルに及んでいる。
アマゾン流域の熱帯雨林の違法伐採は2012年から拡大を続けており、特に前政権の2018年から急拡大していると前政権の政策の不備をサーレス環境相は指摘している。
ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)によれば、ボルソナロ政権下、森林破壊を食い止めるレンジャーのための予算は半減され、森林保護に充てられる伐採者の罰金も大幅に減少している。
Amazônia legal(法定アマゾニア)と呼ばれるアマゾン河流域のアクレ州並びにアマパ州、アマゾナス州、マット・グロッソ州、ローライマ州、パラー州、ロンドニア州、トカンチンス州、マラニョン州の一部で構成され、ブラジル国土の61%に相当する521万平方キロメートルを擁している。
熱帯雨林の違法伐採を摘発するIbama職員数の不足は前政権の責任であり、ボルソナロ大統領はIbama職員採用するための公務員採用は禁止されているとサーレス環境相は説明している。
モウラン副大統領は、違法伐採摘発で不幸にも軍隊の出動を余儀なくされているが、法定アマゾニア地域の州知事の協力に感謝を表した。“第2ブラジル緑作戦-Operação Verde Brasil 2”は30日間継続するが、効果が挙がらない場合は延長される。
「第2ブラジル緑作戦を担っている軍隊はIbama、政府系機関のシッコ・メンデス生物多様性保全院(ICMBio)並びに国立インジオ保護財団(Funai)の管轄の補うものではない。何時までも違法伐採を取り締まる役目をすることはできない。IbamaやICMBioの職員の増員ができないのであれば他の機関から補填できれば良いが、それもできない」とモウラン副大統領は指摘している。