512万世帯がファヴェーラでの住居を余儀なくされている(2020年5月19日付けヴァロール紙)

2019年末のブラジルにおいてスラムや貧民街を意味するファヴェーラ地域に住居を構える世帯数は512万世帯に達しているとブラジル地理統計院(IBGE)の調査で判明している。2010年の調査ではファヴェーラ地域の世帯数は322万世帯で過去9年間で59%増加の190万世帯も大幅増加している。

ブラジルのほぼすべての大都市および中規模都市の郊外には、不法居住者の建てた掘立小屋が軒を連ねるファヴェーラや既存の町がスラム化したファヴェーラが存在する。ファヴェーラの多くは、公有地や所有権を巡って係争のある土地などを不法占拠する形で小屋や家屋が築かれたものが多い。

ブラジル全土の市町村約5,600市のうちファヴェーラを擁している市町村は13.2%に相当する724都市に達しており,2010年の7.8%相当の323都市と比較して約400都市で新たにファヴェーラが誕生している。ブラジル地理統計院(IBGE)の2010年の調査では6,329カ所のファヴェーラが存在していたが、昨年末には1万3,151カ所と2倍以上増加している。

各州別のファヴェーラに住居を構える世帯数調査では、サンパウロ州は106万世帯でトップ、リオ州は71万7,300世帯、バイア州46万9,600世帯、パラー州43万2,500世帯、アマゾナス州39万3,900世帯、ペルナンブーコ州32万7,000世帯、エスピリット・サント州30万6,400世帯、セアラ州24万3,800世帯、ミナス州は23万1,300世帯がファヴェーラに住居を構えている。

また州別の世帯数に占める比率調査では、アマゾナス州は34.59%でトップ、エスピリット・サント州26.10%、アマパ州21.58%、パラー州19.68%、リオ州は12.63%を占めている。

ファヴェーラは大都市に集中する傾向があり、サンパウロ市のファヴェーラ内の住居数は同市全体の12.9%に相当する52万9,900軒、リオ市は19.3%に相当する45万3,500軒を擁している。しかし人口が75万以上の比較では、ベレン市のファヴェーラ内の住居数は同市全体の55.5%、マナウス市53.4%とそれぞれ半数以上を占めている。サルバドール市は41.8%を占めている。

ファヴェーラ内の住居数が同市全体に占める割合が高い10都市のうち6都市は、ブラジルでも最も貧困層の多い北部地域で、そのうち4都市はパラー州内のファヴェーラが占めている。

ブラジル国内で最もファヴェーラ内の住居数が同市全体に占める割合が高い都市は、パラー州北部に隣接するアマパ州のヴィトリア・デ・ジャリ市で、人口1万5,900人のうち74%に相当する2,114世帯がファヴェーラに住居を構えている。

パラー州都ベレン市から僅か11キロしか離れていないマリツーバ市は61.21%、ベレン市55.49%、アナニンデウア市53.51%とそれぞれ人口の半数以上を占めており、べネヴィデス市42.73%、マナウス市も53.38%を占めている。

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