新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた労働訴訟は全体の20%を占めている(2020年5月20日付けエスタード紙)

過去30日間で新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、解雇された労働者が、企業からの不当な清算に対して不服を申し立てる労働裁判所への訴訟件数は約1万件に達している。

過去30日間で、1日平均455人の解雇された労働者が労働裁判所に訴訟申請しているが、訴訟内容は主に権利獲得済みの休暇清算や権利を擁する13ヶ月サラリーの支払い、勤続期間保障基金(FGTS)積立金の40%の罰金の支払いとなっている。

今年4月21日~5月20日の労働裁判所への総訴訟件数4万8,655件の20%に相当する1万件がパンデミック危機による不当解雇となっているが、解雇されて労働所掌を申請している労働者の大半は、運転資金に窮している零細企業の元従業員となっている。

パンデミック危機がニュースとなり始めた今年3月中旬以降のこのタイプの労働訴訟件数は1万8,163件に達しているが、今後パンデミック危機の拡大に伴って、このタイプの労働訴訟件数の増加は避けられないと調査を担当しているスタートアップ企業Fintedlab社のAlexandre Zavagliaパートナーは指摘している。

新型コロナウイルスのパンデミック後の解雇時の不当支払いに対する労働訴訟総額は9億2,000万レアル、平均訴訟金額は5万748レアル、個人による訴訟件数は1万6,673件で訴訟総額は6億5,437万レアル、法人による訴訟件数は1490件で訴訟総額は2億6,736万レアルを記録している。

サンパウロ州カンピーナス市の金属工Guilherme Silva Adegas氏は、3月31日に5年間勤務していた勤務先を解雇されたが、権利を擁する2万レアルの清算金額を下回る1万3,000レアルで解雇されたために、勤続期間保障基金(FGTS)積立金の40%の罰金支払いで労働裁判所に申し立てている。

パンデミック危機による企業救済政策として、連邦政府はMP936号で勤務時間短縮並びに労働契約の一時停止対応を発表しているにもかかわらず、零細・小企業は手持ち資金不足で対応しきれていないとPeixoto & Cury弁護士事務所のCarlos Eduardo Dantas Costa弁護士は、指摘している。

このタイプの労働訴訟の州別比較では、サンパウロ州が3,793件でトップ、ミナス州3,065件、南大河州1,844件、リオ州1,596件、ペルナンブーコ州は1,157件となっている。
今年1月の第1週の労働訴訟件数は6件、第4週は50件、2月第4週は211件、パンデミック危機発表前の3月第2週は311件、3月最終週は3,372件に飛躍、4月の第3週以降は1万件以上に増加している。

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