今年4月の新築住宅販売は前年同月比39%下落(2020年5月25日付けヴァロール紙)

ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、新型コロナウイルスのパンデミック危機の2020年4月のブラジル国内5地域の新築住宅販売は、前年同月比38.8%減少の6,498軒に留まった。また新築住宅のリリース件数は、63%減少の3,172軒と記録的な減少となっている。

今年第1四半期の新築住宅販売リリース軒数は、前年同期比14.8%減少の1万8,388軒に留まった要因として、カーニバル関連休暇による新築住宅販売リリースの先送り、並びに世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長による3月11日の定例記者会見で「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)」と認めた後の3月下半期のリリース発表中止が影響している。

今年第1四半期の新築住宅販売は、前年同期比26.7%増加の3万4,411軒であったが、3月末の新築住宅販売在庫は,14.4ヶ月に相当する14万8,181軒に達していた。

新型コロナウイルスのパンデミック危機の影響で、新築住宅販売は大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”(MCMV)の格安住宅が牽引。「初めての住宅購入が必要な購買層は、MCMVプログラムの大衆住宅を購入した一方で、住居面積より広いアパートやより高級な住居地域の住宅購入は先延ばしされている」とブラジル建設工業会議所(Cbic)のJosé Carlos Martins会長は指摘している。

今年4月~6月の新築住宅販売並びに住宅リリース軒数の結果次第で、今年末迄の不動産業界市場の動向が判明する。今年の新築住宅販売並びに住宅リリース軒数はパンデミックの影響で、昨年よりもどれ程落込むか予測できないとCBICのCelso Petrucci副会長は説明している。

「2008年9月のリーマンブラザーズ破綻に端を発した世界金融危機時の2008年8月~2009年7月の1年間の新築住宅販売リリース軒数は前年同期比45%下落していたが、今年のパンデミックの影響による落ち込みは2008年当時ほど落ち込まないと思うが、過去に例を見ないほどの危機には違いない」とPetrucci副会長は指摘している。

今年初めの今年の住宅販売総額(VGV)は、昨年の年金改革成立、過去最低の政策誘導金利(Selic)、低いインフレ指数、住宅購入向けクレジット拡大などの要因で、新築住宅販売は好調に推移すると予想されていた。

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