不透明なCOVID-19パンデミック終焉や政治混乱で第2四半期のGDP伸び率は弱い回復予想(2020年6月1日付けヴァロール紙)

COVID-19パンデミック危機が顕著になった3月下半期から開始された各地方政府による外出自粛令並びに必需品以外の営業自粛要請で、一般消費部門、サービス部門や工業部門が家滅的な影響を受けて、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%、2015年第2四半期のGDP伸び率マイナス2.1%以降では最大の落込みを記録している。

また今年4月から6月の国内総生産は、長引くパンデミック終焉と更なる政治的緊張の影響で、第1四半期のGDP伸び率マイナス1.5%よりも悪化すると予想、今年のGDP伸び率はマイナス7.0%~マイナス8.0%が予想されている。

予想よりも長引くパンデミック終焉で、ブラジル国内経済の回復は予想よりも長引くとTendências Consultoria社マクロ経済担当のAlessandra Ribeiro取締役は予想している。

6月末で外出自粛などが終わり、第3四半期からのブラジル国内の経済回復シナリオで、今年のGDP伸び率をマイナス4.1%と予想していたが、ヨーロッパ諸国では再びパンデミックリスクが発生して予測が難しいとTendências社では説明している。

経済省のパウロ・ゲーデス経済相は、パンデミック終焉後のブラジル経済のV字回復で世界を驚かすと強調しているにも関わらず、ブラジル経済のV字回復は起こらない。来年は更に圧力がかかるとエコノミストは説明している。

Fator銀行では今年のGDP伸び率をマイナス7.4%と予想、しかし第3四半期の民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)並びに一般消費が落ち込むと今年のGDP伸び率は更に悪化すると指摘している。

今年第1四半期の一般消費部門のGDP伸び率は前四半期比マイナス2.0%で、旱魃による電力エネルギー危機が発生した2001年第3四半期以降で最大の落込みを記録した。一方投資部門のGDP伸び率は、機械・装置輸入が牽引して3.1%増加したが、今年は二桁台のマイナスが予想されている。

また今年第1四半期のGDP全体の74%を占めるサービス部門のGDP伸び率はマイナス1.6%を記録、4月末までに非正規雇用労働者150万人が職を失っており、今後も悲観的な見通しは否定できない。今年第1四半期の工業部門のGDP伸び率は、前四半期比マイナス1.4%を記録した一方で、農畜産部門のGDP伸び率は0.6%増加している。

Guide Investimentos社チーフエコノミストのJoão Rosal氏は、今後の正常に近い社会生活復帰の速度と連邦政府による経済活性化政策の導入が今後のブラジル経済の行方を左右すると指摘。同社は今年第3四半期のGDP伸び率をマイナス10%以上と予想、今年はマイナス8.0%と予想している。

今年第1四半期の農畜産部門のGDP伸び率0.6%増加は、唯一ブラジルのGDP伸び率を支えた。また今年の大豆生産は記録更新が予想されており、継続して今年のGDP伸び率を支えるとサンタンデール銀行エコノミストのLucas Nobrega氏は指摘している。

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