2020年のブラジルの農産物生産額は、前年比11.8%と二桁台増加の7,286億レアルに達して記録更新すると全国農業連合会(CNA)では予想している。
農畜産部門のブラジルの国内総生産(GDP)に占める割合は、レアル通貨に対するドル高の為替並びに穀物の国際コモディティ価格が堅調に推移して全体の23.6%と昨年の21.4%から2.0%以上上昇するとCNA経済担当のRenato Conchonコーディネーターは予想。今年のブラジルのGDP伸び率はマイナス5.8%に対して、農畜産部門のGDP伸び率は堅調に推移すると予想されている。
レアル通貨に対するドル高の為替は農畜産部門の輸出に追い風となる。またパンデミック危機でも食料品の消費は減少しないとConchonコーディネーターは指摘。2019年のブラジルの穀物生産は2億5,000万トンで記録更新したが、今年は更に記録更新が見込まれており、穀物生産者は既に次期の穀物栽培向け種子や農薬などを購入開始している。
今年5月には、作付けが始まっていない来年の穀物生産量の32%に相当する収穫物の売買を既に成立させているが、昨年同期の先物取引は来年度の穀物生産取引量は8.0%に留まっていたが、2017年の実質先物取引はゼロであったとMB Agro社のJosé Carlos Hausknecht取締役は説明している。
今年の穀物生産総額7,286億レアルのうち大豆並びにトウモロコシが牽引、そのうち大豆は前年比13.0%増加の1,750億レアル、トウモロコシは32.9%増加の900億レアル、一方牛肉による売上は19.5%減少の1,390億レアルが予想されている。サトウキビの売上は474億レアルに留まると予想されている。
ブラジル国内でも中西部地域の165市町村がブラジルの農畜産部門を牽引、特にマット・グロッソ州のSapezal市並びにSorriso市、ゴイアス州Rio Verde市、南マット・グロッソ州Três Lagoas市、バイア州西部のSão Desidério市の生産合計は2017年の農畜産部門売上高の2.2%を占めていた。
ゴイアス州Rio Verde市の土壌並びに気候はそれ程優れていないにも拘らず、南部地域や南東部地域の内国移民によって土壌改良や順応作物研究向け投資が行われたと農業技師のÊnio Fernandes Júnior氏は説明している。
南マット・グロッソ州Três Lagoas市では年々牧畜から穀物栽培に転作が続いており、大豆栽培では1ヘクタール当たり1,000レアルの収益に結びついているとMateberi農場のWilliam Costa監督は説明している。