ジェトロサンパウロ主催、在サンパウロ日本総領事館並びにブラジル日本商工会議所協力による第2回新型コロナ対応状況説明会は、テーマ「アルゼンチンにおける新型コロナウイルスの影響」と題して、2020年6月3日午前9時30分から10時30分まで41人が参加して開催した。
初めにジェトロサンパウロ事務所の松平史寿子次長は、5月27日に続いて、今回はジェトロブエノスアイレス事務所の紀井寿雄所長によるアルゼンチンにおける新型コロナ対応状況(報告会)について、各社は業務形態や事業の見直し、駐在員の退避。アルゼンチン政府の色々な対応政策の発表、ジェトロが取集した情報の報告や会員相互の意見交換会としての開催趣旨などを説明した。
ジェトロブエノスアイレス事務所の紀井寿雄所長は、「アルゼンチンにおける新型コロナウイルスの影響」について、初めに感染状況として、3月3日のアルゼンチン国内での初めてのコロナ感染者確認から既に1万8000人を突破、死亡者も570人、人口10万人当たりの感染者数は40人、感染者の8割強はブエノスアイレス市及び同州の集中、5月上旬の予想では感染ピークは6月上旬予想と説明した。
出入国関係では、3月12日の指定感染地からの航空便の停止と入国者の14日間自宅待機義務付け開始、3月16日には非住居者外国人の入国禁止、現在は民間機の運航を規制。5段階の検疫フェーズ。外出禁止令の推移及び例外措置、ブエノスアイレス市の段階的な経済活動再開、外出禁止令緩和の条件公布、ブエノスアイレス州の製造業の操業再開の推移、外出禁止令の延長を説明。また企業支援策の動きでは、実質GDP成長率、産業活動指数、自動車生産台数など各種経済指標の推移、新型コロナ対策の経済パッケージ、個人事業主やインフォーマルセクター対策、雇用及び生産対応緊急援助プログラム。雇用政策の動きでは、従業員の解雇や休職強要の禁止。医薬関連製品の輸入円滑化の動向や免税措置などについて詳細に説明した。
最後の質疑応答では、アルゼンチン政府のデフォルトによる自動車販売への影響、債務再編交渉、正式並びに闇為替レートとの乖離、外貨規制、今後のインフレ動向、ブエノスアイレスの隔離率、マスク着用の状況、コロナウイルス感染拡大後の治安状況、新政権への支持率の動向、学校の開校状況、オンライン教育、コロナ対策の南米諸国の財政支出比較、日系企業駐在員の帰国状況、成田空港での検査状況、外貨規制など多岐にわたって質問されたが、中南米事情に精通している紀井寿雄所長は、全ての質問に対して簡潔で的確なアドバイスや回答を行っていた。
「アルゼンチンにおける新型コロナウイルスの影響」ジェトロブエノスアイレス事務所の紀井寿雄所長