ブラジル銀行、イタウー銀行、ブラデスコ銀行、連邦貯蓄金庫並びにサンタンデール銀行のクレジット部門マーケットシェアは80.7%の寡占状況(2020年6月4日付けエスタード紙)

中銀の発表によると、2019年12月のブラジル銀行、イタウー銀行、ブラデスコ銀行、連邦貯蓄金庫並びにサンタンデール銀行で構成される5大銀行のクレジット部門のマーケットシェアは,80.7%を占めていることが判明したが、2018年末の寡占率82.2%から減少している。

昨年末の5大銀行のクレジット部門のマーケットシェアが減少した要因として、各銀行間の競争の激化並びに新規サービスによるクレジットコスト減少が指摘されている。

2019年末のブラジル金融業界の市場が寡占状態若しくは競争状態かを見分けるのに効果的なハーフィンダール・ハーシュマン・インデックス(Herfindahl-Hirschman Index, HHI)は0.1308で、2018年末のHHI指数の0.1334よりも寡占率が減少している。

昨年末の5大銀行の預金総額のHHI指数は、0.1419と2018年末の0.1447よりも減少、前期同様にクレジットオペレーションのHHI指数は、0.147と2018年末の0.1530よりも減少して、それぞれ寡占率が減少している。

昨年末の5大銀行の純益は記録更新した影響で、平均収益率は16.5%と2018年末の14.8%よりも上昇、2011年の平均収益率並みに上昇している。

中銀の調査によると、ブラジルの銀行システムの平均収益率は世界でもトップクラスであるにも関わらず、昨年の収益率はアルゼンチン、メキシコ並びにカナダに後塵を拝したが、米国、イタリア、英国や日本などの先進諸国よりも高かった。

中銀の統計によると、昨年の5大銀行の純益は1,180億レアルに達して、統計を取り始めた1994年以降では過去最高の純益を記録している。

2018年末の政策誘導金利Selicは6.5%であったが、2019年末のSelic金利は4.5%と1年間で2.0%減少したにも拘らず、平均金利は1.6%減少に留まり、2.0%のSelic金利の減少を下回った。

昨年末のクレジットカードや特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジットの平均年利は300%以上であった。今年の特別小切手税の年利は、中銀の金利上限規制発表後の4月の月利は6.8%、年利は119.3%に減少している。

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