今朝発表された中銀の最終フォーカスレポートによると、2020年のブラジルのGDP伸び率は、前回のマイナス6.25%からマイナス6.48%と17週連続で下方修正を行っている。
5月13日発表のフォーカスレポートでは、5月末で外出自粛要請の中止を前提に、今年のGDP伸び率はマイナス4.7%が見込まれていたにも拘らず、多くの地方自治体は6月も継続して外出自粛要請しているために、今年のGDP伸び率は下方修正されている。
世界銀行は今年のブラジルのGDP伸び率はマイナス5.0%、 国際通貨基金(IMF)はマイナス5.3%を予想、中銀では2021年のブラジルのGDP伸び率は3.5%増加に据え置いている。
また最終フォーカスレポートでは、パンデミックで一般消費者の需要減少の影響で、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の1.55%から1.53%と13週連続で減少幅を縮小している。
今年のIPCA指数が1.53%に留まれば1998年に記録した1.65%の最低のインフレ指数を下回り、ブラジル地理統計院(IBGE)が統計を取り始めた1995年からでは最低のインフレ指数を記録する。今年のインフレ指数の中央目標値4.0%、許容最低値2.50%を下回る予想となっている。
2021年のIPCA指数は前期同様に3.10%に据え置いたが、来年のインフレ指数の中央目標値3.75%、許容最低値2.25%、許容最高値5.25%に設定している。
現在の政策誘導金利(Selic)は3.00%、今年末のSelic金利は2.25%が予想されている。また2021年のSelic金利は前回予想の3.38%から3.50%に上方修正されている。