ヴァロール紙が83金融機関対象の調査によると、次回の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、益々減少するインフレ指数の傾向で現在3.75%の政策導入金利(Selic)は、ほぼ全会一致で0.75%引き下げて2.25%に決定すると予想されている。
ヴァロール紙による83金融機関対象の調査によると、5金融機関は次回のCopom会議でのSelic金利引き下げ幅を0.50%と予想、また1金融機関は1.00%の引下げを予想したが、残りの77金融機関は0.75%の引下げで一致している。また今年末のSelic金利は、回答した57金融機関のうち26金融機関はSelic金利は2.00%以下になると予想している。
ASA Bank経済分析担当のCarlos Kawall取締役は、今後のCopom会議でのSelic金利引き下げ幅は0.25%と小刻みの引下げを予想しているが、世界経済のシナリオやブラジル国内では構造改革停滞リスクや不透明な財政情勢に左右されるが、年末のSelic金利は1.0%と予想している。
この1週間でレアル通貨に対するドルの為替はR$6.00からR$5.00を割るレアル高傾向を示し、低いインフレ指数も6月のCopom会議でのSelic金利引下げに拍車をかけているものの、財政コントロールリスクや新型コロナウイルスの感染「第2波」リスクで目が離せない状況となっている。
Persevera Asset Management社は、ブラジル経済は危険な状況に直面しており、今年末のSelic金利はほぼゼロ金利に近づくと予想。米国の中銀に相当する連邦準備制度理事会は、新型コロナウイルスによる景気悪化に対応するために導入した、ゼロ金利政策などの大規模な金融緩和策維持を発表、ブラジルの中銀も最善の手段を打つべきとマネージングパートナー兼最高投資責任者のギリェルメ・アブド氏は指摘している。
5月のCopom会議での予想を上回るSelic金利の0.75%の引下げで、6月のSelic金利の引下げは、今年最後のSelic金利の調整とCopom会議の議事録から想像されていた。
エコノミストの中には、短期間のインフレ指数を見るだけでなく、政策金利が「事実上の下限(“effective lower bound”)」に達した場合の副作用も考慮する必要があると指摘している。
ブラジルの現状ではSelic金利は2.50%~3.00%が賢明であり、ブラジルは先進国でない事を中銀は配慮する必要がある。為替レートを慎重に強化する必要があり、先々のインフレも考慮しなければならないと指摘している。