最も多く利用されているFacebookグループのチャットアプリのWhatsAppがブラジル最大のクレジットカード業者シエロ(Cielo S.A.)とタイアップしてスマホ決済の個人間送金に参入する。
WhatsAppは、外出先で現金が足りなくなり家族や友人に出してもらったり、割り勘をするときに小銭が不足したりした場合に、個人間の現金のやりとりで発生する不備を解消する機能として、クレジットカードでも、電子マネーでもないスマホ決済の個人間送金機能の提供を開始する。
携帯電話番号を使った送金サービスにおいてWeChatに先んじていたのが、012年6月に携帯電話番号向け送金サービスをリリースしたアリババグループのオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」であった。
WeChatペイがアリペイの7年後に携帯電話番号を使った送金サービスをリリース、アリペイは世界規模でユーザー数が12億人に達し、WeChatペイも2019年末にユーザー数が8億人を突破している。
WhatsApp社は2018年からインドでテストケースとして送金サービスを開始、2年間かけて個人間送金サービス開発を経て、ブラジルでシエロ者とタイアップしてリリースに漕ぎ着けた。
原則としてブラジル国内の個人間送金サービスは、ビザとマスターカードフラッグを擁するブラジル銀行、ヌバンク銀行、Sicrediシクレディのデビットカードまたはクレジットカードを持っている人が対象となる。今後は他の金融機関とのタイアップを進める。
1回の個人間送金サービスの送金金額は1,000レアル、1日当たり最高で20回のオペレーションが可能。月間の送金総額は5,000レアルに限定される。法人向け送金の金額は制限がないが、レアル通貨に限られる。
WhatsApp社のMatt Idema取締役は、個人間送金手数料は無料であるが、企業間送金手数料は3.99%。Cieloのカードマシンのデビット手数料2.39%並びにクレジット手数料4.99%の中間の3.99%に設定している。
今年初めにFacebook社のMark Zuckerberg会長は、既に実施されている米国以外でも2020年以内のWhatsAppによる送金システムはメキシコ、インドネシアでもリリースされると発表。インドでは正式なヴァージョンのリリースを行う。