(ZOOM)第4回「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」開催

ジェトロサンパウロ主催、在サンパウロ日本総領事館並びにブラジル日本商工会議所協力による第4回新型コロナ対応状況説明会は、テーマ「ブラジル等におけるにおける新型コロナウイルスの影響」と題して、2020年6月17日午前9時30分から10時50分まで87人が参加して開催した。

初めにジェトロサンパウロ事務所の松平史寿子次長は、5月27日の第1回新型コロナ対応状況報告会に続いて、ジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長によるブラジルの色々な対応政策発表の説明、ジェトロが取集した情報の報告や会員相互の意見交換会としての開催趣旨などを説明した。

大久保敦所長は、初めにブラジルにおける新型コロナウイルス感染拡大の影響の感染状況として、ブラジルの感染者総数は92万3189人で世界2位、死亡者は4万5241人で世界2位、感染者及び死亡者の推移、1日当たりの感染者店死亡者の推移。中南米各国は感染確認数増加ペースが遅いために感染ピークに時間を要している事実。ブラジルの感染死亡者の増加ペースの鈍化、欧米で高い感染死亡率、感染確認者・感染死亡者のそれぞれのピーク及び収束予想。サンパウロ州における感染確認者数・感染死亡者数・ICU占有率の推移について説明した。

また感染防止政策では、ブラジルの感染防止政策対策に伴う規制の現状として、ヒトの出入国規制、事業活動規制、モノの輸出入規制、行動・生活規制。ブラジル社会を2分する感染隔離政策をめぐる対立では、経済・生活崩壊を懸念するボルソナーロ大統領やゲーデス経済相に対する医療崩壊を懸念するサンパウロ州やリオ州知事の対立構造。各国の感染隔離政策に伴う自宅待機率の推移の比較を説明した。

コロナ渦中の消費・産業・企業動向では、ブラジル国内住居者滞在先の推移、消費者性向、産業の打撃では設備稼働率の推移、輸出・需要期待の推移、原材料・投入財と雇用者数期待の推移、投資傾向の推移。産業部門別活動指数、特に打撃を被っているブラジル自動車産業の生産・輸出・国内販売・輸入別推移。産業界のトピックスでは、ボーイング社のエンブラエル小型商用機事業の統合断念、米国でのラタン航空の司法再生手続き申請や厳しい流通業界を説明した。

スタートアップ企業のコロナ渦中新ビジネスでは、イン・ロコ社のスマホ位置情報活用感染監視システム、サイバー・ラブズ社のAI顔認証活用型感染監視、ビダ・クラス社の新型コロナウイルス遠隔診断、テスチフィ社の家庭検体採取による感染検査、イーツ・フォー・ユー社やテンポテン社の新形態サービスを紹介。

緊急経済対策では、緊急経済対策の骨子、緊急経済対策の世界主要国の財政支出額の比較では、ブラジルの財政支出はGDP比5.8%で先進国平均のGDP比4.5%を上回っている現状、日本は断トツのGDP比21.1%、ラテンアメリカ諸国の比較では、ブラジルはペルーのGDP比6.1%に次いで2位、発展途上国平均のGDP比3.0%の約2倍。経済活動再開への経緯、サンパウロにおける経済活動再開プロセス、サンパウロ州の段階的経済活動再開計画。サンパウロ州政府・業界団体による安全衛生プロトコル・リンク集の紹介。

アフターコロナ展望では消費性向、2020年~2021年の経済予測、アフターコロナ新時代を見据えてではビジネスフローのデジタル化及びリアルビジネス運裕改善、安全衛生プロトコロの重要性を説明した。質疑応答では駐在員の退避状況、サンパウロ州の段階的経済活動再開計画、時短・雇用契約の延長などが挙げられた。最後の松平次長は駐在員退避状況アンケートへの回答要請、セミナー満足度調査アンケートへの協力、次回からの新しいアクセス先の案内、来週の第5回「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」では、コンサルタント部会の吉田部会長の講演予定を説明した。

Pdf4回「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」(ジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長 2020年6月17日)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47282