今月17日中銀の通貨政策委員会(Copom)は、新型コロナウイルのパンデミック対応として、ブラジル経済の活性化を目的に現在3.00%の政策導入金利(Selic)を全会一致で一挙に0.75%引下げ、1996年6月から開始された通貨政策委員会でのSelic金利は過去最低となる2.25%に決定、今回の切下げは8回連続での切下げとなった。
2016年8月の政策誘導金利(Selic)は14.25%であったが、2018年末は6.5%、昨年末は4.5%、今年2月5日に開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)では、全会一致で現在4.50%の政策誘導金利(Selic)を0.25%引下げて4.25%に決定、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月15日の臨時会議でFF金利を年利0%~0.25%と設定した後、3月18日のCopomはSelicを年利4.25%から3.75%に切下げ、前回5月6日に0.75%切下げて3.00%のSelic金利決定では、過去最低のSelic金利となっていたが、更に今日のCopom委員会で0.75%引き下げて1996年6月に開始した通貨政策委員会(Copom)では再び過去最低を更新する2.25%に決定している。
中銀の今週月曜日に発表した最終フォーカスレポートでは、エコノミストの今年の平均広範囲消費者物価指数(IPCA)予想は、前回予想1.53%から1.60%に上方修正、2021年のIPCA指数は3.10%から3.00%に下方修正している。
今回のSelic金利の3.00%から2.25%の引下げで、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利はマイナス0.76%となり、調査対象の40か国のうちで14位の金利高に順位を落としている。
ブロードキャストプロジェクションの54金融機関対象の調査では、52金融機関はSelic金利の0.75%引下げを予想していた一方で、僅か2金融機関は0.50%引下げの2.50%を予想していた。
中銀は、現状の為替とSelic金利をもとに今年のインフレ指数を2.40%から2.00%、2021年は3.4%から3.20%にそれぞれ下方修正している。
今後12か月間の世界各国のインフレ指数を差引いた実質金利は、台湾はマイナス3.00%、米国マイナス2.73%、ポーランドマイナス2.72%、英国マイナス2.56%、チェコ共和国マイナス2.23%、ハンガリーマイナス2.17%、チリマイナス1.50%、オーストリアマイナス1.28%、ドイツ並びにオランダマイナス0.98%、中国マイナス0.92%、南アフリカマイナス0.82%、ベルギーマイナス0.79%、ブラジルはマイナス0.78%で大幅に順位を下げている。