今年のブラジルのGDP伸び率は、サービス部門が牽引してマイナス6.5%予想(2020年6月18日付けエスタード紙)

 ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2020年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、サービス部門並びに一般家庭の消費回復の遅れが牽引してマイナス6.5%に留まると予想している。

COVID-19パンデミック危機による国内経済の低迷以外にも先が見えない政治危機並びに更なる財政悪化で、今年のブラジルのGDP伸び率は、予想よりも悪化する可能性があるとIbre/FGVのアナリストは指摘している。。

今年の商業部門のGDP伸び率はマイナス10.0%、サービス部門のマンパワーの50%を占めるその他のサービス部門のGDP伸び率はマイナス14.0%に達し、一般消費に影響を与えて数年間に亘る経済リセッションを導く可能性があるとIbre/FGVは指摘している。

COVID-19パンデミック危機対応策として,連邦政府が導入した非正規労働者に対する600レアル支給や13ヶ月サラリーの先払いなどは、短期的には一般消費のブレーキ緩和に繋がるとSilvia Matos調査員は説明している。

しかし連邦政府による救済金は今年第2四半期には消費若しくは貯蓄に回るために消費が減少すると予想。第3四半期並びに第4四半期には連邦政府の救済金の減少が見込まれているために、一般消費はさらに減少すると予想している。

今年下半期の緊急救済金を継続する政治的プレッシャーは、パウロ・ゲーデス経済相に圧力となって救済金支払い延長を余儀なくされるが、長期間の延長は更なる財政危機に結びつく。

上院独立税制監査院(IFI)の試算によると、2020年の中央政府と地方政府(州政府・市)を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支は、9,124億レアルの赤字が予想されている。

今週17日の中銀の通貨政策委員会(Copom)による新型コロナウイルのパンデミック対応として、ブラジル経済の活性化を目的に現在3.00%の政策導入金利(Selic)を全会一致で一挙に0.75%引下げて2.25%にしたことは、ブラジルの財政バランスリスクを高めるとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)金融政策センターのJosé Júlio Sennaチーフは指摘している。

3.00%以下のSelic金利は、レアル通貨に対するドル高の為替に繋がり、ブラジル経済にとっては何のメリットもないとIbre/FGV調査員は指摘している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47288