ジェトロサンパウロ主催、在サンパウロ日本総領事館並びにブラジル日本商工会議所協力による第5回新型コロナ対応状況説明会は、テーマ「ブラジル等におけるにおける新型コロナウイルスの影響」と題して、2020年6月24日午前9時30分から10時40分まで53人が参加して開催。初めにジェトロサンパウロ事務所の松平史寿子次長は、新型コロナウイルス対応の会員相互の意見交換会としての開催趣旨などを説明した。
講師のコンサルタント部会の吉田幸司部会長は、『2020年度第1四半期決算発表からみる新型コロナウイルスのブラジル企業への影響』と題して、AMBEV社、 CARREFOUR社、 PÃO DE AÇUCAR社、 IGIATEMI社、 MULTIPLAN社、 AZUL社並びにGOL社のブラジル企業7社の今年第1四半期決算発表の分析から新型コロナウイルスの影響について、初めにAMBEV社の今年第1四半期財務情報ハイライトとしての売上高、営業利益、税前利益の前年同期比の比較、ブラジル国内のビジネス、第2四半期のON TRADE及び OFF TRADEの動向、今後のCOVID-19影響の将来を見据えた検討や対応策、南北アメリカの消費者志向、CSRなどの社会貢献、ライブストリーミングコンサート、E-COMMERCEプラットフォームなどについて説明した。
また698店舗を展開するCARREFOUR社の第1四半期決算発表から売上は前年同期比7.6%増加、顧客当たりの購入金額増加、 E-COMMERCEによる売上貢献、株主への利子配当,MAKROから30店舗取得予定、今後のCOVID-19対応策として従業員及び顧客の安全優先、ショッピング行動様式変化での食料流通の持続性の確保、購買力保護、社会的弱者サポートのための連帯行動について説明した。
ブラジル国内のASSAI、 EXTRA並びに MINUTOなど876店舗網でマーケットシェア16.0%を擁するPÃO DE AÇUCAR社の第1四半期決算の大幅な売り上げ増加、過去2年間で40店舗オープン、 E-COMMERCE事業の成長寄与、今後のCOVID-19対応策、店舗周辺のコミュニティの社会的弱者へのサポート、グループ傘下ASSAIの企業家のための緊急クレジットファンドの支援や黒人企業家の支援ファンドのサポート、オンライン寄付などについて説明。
COVID-19パンデミックで非常に大きな影響を受けているにも拘らず、ショッピングセンター事業のIGIATEMI社やMULTIPLAN社の非常に高い利益率や将来の展望。COVID-19パンデミックで壊滅的な影響を被っているAZUL社並びにGOL社の第1四半期決算の業績、人件費カット、資金繰り、コストカットプログラム、リース機材及び設備投資の状況や今後の対応などについて説明。
質疑応答では、ショッピングセンターの収益状況、連邦政府による航空業界の金融支援策、企業の社会的責任(CSR)、駐在員の退避状況の推移などが挙げられた。また松平史寿子次長は、集計中の駐在員退避状況アンケートについて説明、最後に平田事務局長は素晴らしい講演を行ったコンサルタント部会の吉田幸司部会長に丁寧にお礼を述べた。
『2020年度第1四半期決算発表からみる新型コロナウイルスのブラジル企業への影響』(コンサルタント部会の吉田幸司部会長 2020年6月24日)