経済省通商局(Secex)の発表によると、2020年6月のブラジルの1日当たりの貿易収支は、前年同月比25.6%増加の74億6,300万ドルの黒字を計上している。
今年上半期の貿易収支は、一向に改善しない米中貿易摩擦による世界貿易の縮小並びに3月下半期から顕著になったCOVID-19パンデミックの影響で、前年同月比10.3%と二桁台減少の230億3,500万ドルの黒字計上に留まっている。
今年6月の1日当たりの平均輸出は前年同月比12.0%減少の179億1,200万ドル、一方輸入は27.4%減少の104億4,900万ドル、6月の貿易収支黒字74億6,300万ドルは6月としては過去最高、月間の黒字としては、過去2番目の黒字幅を計上と通商局(Secex)のLucas Ferraz局長は指摘している。
今年初め6か月間の輸出総額は、前年同期比6.4%減少の1,024億3,000万ドル、輸入総額は5.2%減少の793億9,500万ドル、6月の過去12か月間の貿易収支は、453億9,000万ドルを計上している。
今年6月の主な輸出先である中国、香港並びにマカオ向け1日平均の輸出は前年同月比16.7%増加、またアジア全体の輸出は10.8%と二桁増加を記録している。また今年6月の北米向け輸出は38.9%減少、南米向け輸出も39.6%減少、ヨーロッパ向け輸出も16.4%とそれぞれ二桁台の大幅な輸出減少を記録している。
今年上半期の中国向け輸出は14.9%増加、アジア向けは14.6%増加、一方北米向け輸出は26.6%減少、南米向けは28.1%減少、ヨーロッパ向けは6.8%減少している。
通商局(Secex)では、2020年の貿易収支は前回予想の466億ドルの黒字から554億ドルに上方修正している。今年の輸出総額は前回予想の1,198億ドルから2,025億ドルに上方修正、輸入総額は1,532億ドルから1,471億ドルに下方修正。貿易総額は3,496億ドルから3,530億ドルに上方修正している。
今年の世界貿易は、COVID-19パンデミックの影響で、1929年の世界恐慌以来では最悪の経済危機に見舞われており、特に付加価値の高い完成品貿易が影響を受けているとLucas Ferraz局長は指摘している。
また今年のブラジルの貿易では、特に中国を中心としたCOVID-19パンデミックのいち早い回復に伴って、アジア向け農畜産品輸出が牽引しているとLucas Ferraz局長は説明している。