ブラジル企業は競って海外での資金調達を試みており、昨日6日資源大手のヴァーレ社も海外で償還期間が10年物の社債発行で15億ドルの資金を調達している。今年は既にPetrobras社, Rumo社, Andrade Gutierrez社, BV社 (旧Votorantim銀行), Raízen社並びにNexa Resources社が海外での社債発行で資金調達を行っている。
COVID-19パンデミック前の今年1月並びに2月のブラジル企業による海外での資金調達は目白押しで、2019年のブラジル企業の海外での社債発行による資金調達総額300億ドルの50%以上に相当する資金調達を行っていた。
バンク・オブ・アメリカ( BofA)ブラジル社のPedro Campos氏は、今年のブラジル企業による海外での社債発行による資金調達は昨年並みの300億ドルを見込んでいる。
「北半球の夏休みの8月までは海外投資家はバケーションを楽しんでいるが、9月から海外市場がCOVID-19パンデミック危機の収束に伴って安定すれば、今年のブラジル企業の資金調達は昨年並みになる」とブラジル企業の海外での資金調達部門を牽引するBofAブラジル社のPedro Campos氏は予想している。
昨年のブラジル国内市場での資金調達は、金利安及び償還期間の長期化で海外市場と競合できるほどの条件が整ってきていたが、COVID-19パンデミック発生の2月末から国内外の金融市場のボラティリティの影響で、国内外での社債発行による資金調達は停止していた。
COVID-19パンデミックの2ヶ月後の5月並びに6月は国内外の株式市場の回復に伴って落ち着きを取り戻してきており、海外での社債発行による機運が高まってきている。
世界の社債市場は、金利が「機能不全」になったために数週間の停止を余儀なくされたが、米連邦準備制度理事会(FRB)は、新型コロナウイルス危機に対応する緊急措置の1つである社債買い入れプログラムで信用業務の連鎖を正常化するために、長期国債の買入を開始した経緯があった。
今年第2四半期から海外での社債発行は、金利が非常にゼロに近く活性化しだしたが、ラテンアメリカ企業の金利がより魅力的で、欧米では資金需要の5倍~6倍の社債購入希望者が存在している。
先週Raízen社の経営審議会は、償還期間が2027年で金利5.30%の社債3億ドルの発行を承認、2017年の5億ドルの資金調達から3年ぶりの発行となる。またRumo社は、償還期間が2028年で金利が5.25%の5億ドルの“green bonds”社債を発行する。
フィッチ社の格付けが“CCC-”のAndrade Gutierrez社は、2019年12月の償還期間が社債発行で3,000万ドルを調達したが、今回は償還期間が2024年で金利が9.5%の4億2,500万ドルの社債を発行した。
ペトロブラス石油公社は,今年5月に海外で償還期間が10年物で金利が5.60%、また償還期間が30年物で金利が7.30%の2種類の社債発行で、32億5,000万ドルを調達していた。
ブラジル資本Votorantim社並びにペルー資本Milpo社と共同で、鉱業Nexa社は償還期間が7年物で金利が6.625%の5億ドルのボーナスを発行。BV銀行は発行総額が5,000万ドルで金利が3.35%のgreen bondsを初めて発行している。