ブラジル地理統計院(IBGE)の2019/2020年度の穀物生産予想は、前年比2 .5%増加の2億4,740万トンを見込んでいる一方で、国家配給公社(Conab)の今年の穀物生産は2億5,140万トンで記録更新を予想している。
またブラジル地理統計院(IBGE)の2019/2020年度のブラジルのコーヒー生産並びに棉生産はそれぞれ記録を更新すると予想している。2019/2020年度の上半期の穀物生産は前年同期比5.6%増加の1億1,990万トン、国家配給公社(Conab)の予想は前年同期比5.1%増加の1億2,088万トンを予想している。
2018年のブラジルの大豆生産は米国を抜いて世界トップであったが、昨年は天候異変の影響で再び米国にトップの地位を明け渡していた経緯があった。2019/2020度の米国の大豆生産は9668万トンに留まると米国農務省(USDA)では予想している。
来年の2020/2021度の米国の大豆生産は1億1,230万トン予想でブラジルの1億3,100万トンの予想で再度トップに返り咲くと予想されている。
南大河州が昨年12月から今年5月までの旱魃の影響で前年比39.3%減少の1,120万トンに留まる影響で、今年6月のブラジル地理統計院(IBGE)の今年の大豆生産予想は、前年比0.5%増加に留まって記録更新にはならないと見込まれている。
過去数年間の耕地面積の拡大、最先端の農業技術採用、生産性の向上、その上レアル通貨に対するドル高の為替は価格競争力をさらに高めているとブラジル地理統計院(IBGE)アナリストのCarlos Antônio Barradas氏は指摘している。今年上半期のブラジルの穀物輸出は前年同期比38.0%増加の6,030万トンに達している。
今年6月のトウモロコシの2019/2020度の生産予想は前回予想の0.8%増加の9,750万トン、記録を更新した前年よりも3.0%減少で過去2番目の生産が予想されている。 しかし米国の2020/2021 度のトウモロコシ生産は4億630万トン予想、中国の2億6,000万トンから大きく引き離された世界3位に留まっている。
ブラジルのコーヒー生産の72.9%を占めるミナス州の適量の降雨で、今年のコーヒー生産は前年比18.2%増加の350万トンで世界トップを維持する。ブラジルはコーヒー生産の50%を輸出しているが、今年はドル高の為替で追い風になっている。