中国資本SAM社は年間2,750万トンの鉄鉱石生産プロジェクトの開発ライセンス待ち(2020年7月13日付けヴァロール紙)

香港に拠点を置くHonbridge Holdingsは、グループ傘下の鉱業会社Sul Americana de Metais(SAM)によるミナス州最北端に位置する鉄鉱石開発プロジェクト認可を待っているが、プロジェクトは2025年末までに鉄鉱石の生産を開始する予定となっている。

このプロジェクトの投資総額は21億ドルで年間2750万トンの鉄鉱石を生産、バイア州の港湾から中国向けに鉄鉱石の輸出が計画されている。

この鉄鉱石の生産開発には、第5世代移動通信システム ( 5G )を駆使してモバイルネットワークを利用した建設・鉱山機械の遠隔制御システムで遠く離れたオフィスからでも、現場の状況をリアルタイムに把握しながら正確で効率的な現場施工と施工管理を行い、生産効率を20%以上引き上げる計画となっている。

Honbridge社は、6年前にVotorantimグループ傘下のSAM社に持株投資で資本参加、現在はSAM社の100%の株式を取得して完全に子会社化している。

この鉄鉱石鉱山は、ミナス州のGrão Mongol市とPadre Carvalho市に跨っており、多目的ダムの建設はPadre Carvalho市とFruta de Leite市に跨っている。鉱山の電力は67キロメートル離れたJosenópolis市から供給する。Grão Mongol市の人口は1万6,000人、ベロ・オリゾンテ市から直線距離で390キロメートル、国道では572キロメートルに位置している。

このプロジェクトの鉄鉱石の輸出は480キロメートル離れたバイア州イレウス港が予定されているが、鉄道が整備されていないために、Samarco社並びにAnglo American社が活用している同様の鉄鉱石輸送用パイプラインが見込まれているが、鉄鉱石の輸送はLótus do Brasil社に委託する。

年間生産能力が2,750万トンの鉄鉱石は輸出をターゲットに計画されているが、最大の鉄鉱石の顧客は年間11億トンの鉄鉱石を輸入している中国が見込まれている。

SAM社のJin Yongshi社長は、鉱山開発の環境ライセンスは2021年末までに取得。2022年末までの据付ライセンス、2025年末までに操業ライセンスの取得を予定、ミナス州並びにバイア州の鉄鉱石輸送パイプラインのライセンスはブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)に申請している。

SAM社は鉱山の地質調査などに既に7,400万ドルを投資、鉱山開発中の雇用は6,200人、操業開始後は1,100人の雇用が見込まれている。この鉱山の鉄鉱石の含有量は20%前後と低いために、含有量を66.2%まで引き上げるために、鉱滓用ダムの建設が不可欠となっている。現在の含有量が62%の鉄鉱石は1トン当たり120ドル。

最も安全な操業で経済性を考慮してSAM社は先週中国企業Huawei社と契約を結び、5G技術を駆使して遠隔操作で鉱山の全工程の作業を行える技術を開発する。
 

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