2020年上半期の米国向け輸出は前年同期比32.0%減少の100億ドルで過去10年間で最低(2020年7月14日付けヴァロール紙)

2020年上半期のブラジルの米国向け輸出は、COVID-19パンデミック並びに石油の国際コモディティ価格下落の影響で、前年同期比32.0%減少の100億ドルに留まった。

今年上半期のブラジルと米国の貿易総額は、前年同期比18.5%減少の232億ドルに留まっているとブラジルアメリカ会議所(AMCHAM BRASIL)は発表している。

2019年上半期のブラジルの米国向け輸出は、147億ドルで記録を更新していたが、COVID-19パンデミックによる世界貿易縮小の影響で、今年上半期の輸出は32.0%の大幅減少の100億ドルに留まっているとブラジルアメリカ会議所のAbrão Arabe Neto副会頭は説明している。

今年上半期のブラジルの輸出総額は前年同期比7.1%減少したものの、米国向けは4倍以上の減少を記録、しかし農畜産品輸出が牽引して中国向け輸出は15.0%増加、特に米国向け輸出は輸出全体の87%を占める付加価値の高い完成品輸出が大幅に減少した影響を受けている。

今年初めのOPEC(石油輸出国機構)の加盟国と、ロシアをはじめとするOPEC非加盟の産油国(OPECプラス)の会合の決裂による石油の国際コモディティ価格下落も米国向け輸出の6.0%を占める原油輸出の減少も影響している。

今年上半期の米国向け原油輸出は、石油の国際コモディティ価格下落で前年同期比53.8%減少、燃料油の輸出も46.4%減少しているとAbrão Arabe Neto副会頭は説明している。

今年上半期のブラジルの米国からの輸入総額は4.4%減少の132億ドル、建設機械輸入は13.2%減少、またプレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォームの輸入は12億ドルに留まった。

2019年上半期のブラジルの米国向け輸出は147億ドル、輸入は138億ドル、貿易収支は9億ドルの黒字を計上していたが、今年上半期の貿易収支は31億ドルの赤字を計上で、ドイツとの貿易収支赤字25億ドルを上回っている。

今年上半期のブラジルの米国向け輸出のシェアは9.9%、輸入は16.6%、貿易のシェアは13.4%と中国の29.4%に次いで2位であるにも拘らず、中国の半分以下となっている。今年1年間のブラジルと米国の貿易は前年比18.4%~21.9%減少予想、そのうちブラジルの輸出は20%~25%減少、輸入は16%~18%減少をブラジルアメリカ会議所は予想している。

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