海外投資家は今年のブラジルIPO株の36%保有(2020年7月21日付けヴァロール紙)

海外投資家は2020年7月初めまでのサンパウロ証券取引所(B3)の新規株式公開(IPO)並びに追加公募増資(フォローオン)の株式の36%を買い占めている。

今年7月初めまでのIPOs並びにfollow-onsによる資金調達総額は392億6,000万レアル、そのうち株式の36%に相当する140億レアルは海外投資家が保有しているが、金融機関投資家の株式保有は44.0%に相当する173億7,000万レアルを保有している。

2019年の海外投資家によるIPOs並びにfollow-onsの株式保有は、44.0%と今年上半期の36.0%を大幅に上回っていた。また昨年の金融機関投資家の株式保有は46.0%であった。Ambipar社のIPOによる10億8200万レアル並びにLojas Americanasのfollow-onによる79億レアルは、資金調達総額392億6000万レアルには含まれていない。

有価証券取引委員会(CVM)にIPO承認を申請している企業は既に20社に達しており、Animale並びにFarmブランドを擁する女性ファッションのSoma社は、今月29日に新規株式公開を予定している。

政策誘導金利(Selic) が過去最低の2.25%まで下げている現状では、国内外の投資家はリスクの高い株式市場に流れており、IPOs並びにfollow-onsは、更なる起爆剤になるとバンク・オブ・アメリカ( BofA)ブラジル社のチーフエコノミストのDavid Beker氏は指摘している。

投資ファンドの12.0%~13.0%は株式への投資が占めており、投資ファンドの投資金総額は約5兆レアル、その10%が株式市場に投資されれば、5,000億レアルに相当するとDavid Beker氏は説明している。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)」と認める声明を発表後の3月23日のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は6万3000ポイントまで下落していたが、昨日20日のIbovespa指数は10万4426ポイントと64.3%高騰している。

先進諸国の中央銀行は金融緩和で先を争って金利カットしているために、COVID-19パンデミックにも関わらず、世界的にリスクの高い株式市場に投資金が流れている。

海外投資家は,7月16日までにブラジル企業の持ち株827億レアルを売却して,140億レアルをIPOs並びにfollow-onsに投資しているとデジタルバンクModalmais社チーフエコノミストのÁlvaro Bandeira氏は指摘している。

環境関連企業Ambipar社の新規株式公開では1株当たり24.75レアルを記録、オンライン販売が好調なLojas Americanas社のfollow-onには非常に大きな需要で追加ロットを可能にしていた。

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