COVID-19パンデミックはラテンアメリカの鉱業生産には予想以下のインパクト(2020年7月20日付けヴァロール紙)

COVID-19パンデミックにも拘らず、今のところラテンアメリカ諸国の鉱業生産は、予想を下回るインパクトに留まっているが、第2次感染やロックダウンが発生すれば大きな影響を及ぼすと予想されている。

ペルー、ボリヴィア並びにチリの鉱物資源生産は、鉱山労働者のCOVID-19感染で生産中止を余儀なくされた鉱山も存在したが、石油の探鉱部門も影響を受けていた。

銅生産世界大手のチリ公社コデルコは、鉱山従業員の3,200人以上がCOVID-19に感染、そのうち9人が死亡したため操業率を70%に下げて生産を行っている。新型コロナの感染拡大からチリ北部のアントファガスタ州カラマ市のチュキカマタ鉱山で一時的な操業停止に追い込まれている。

チリ南部地域での鉱山労働者のCOVID-19感染はコントロールされているが、北部のアントファガスタ州のCOVID-19感染者は1万2,000人に達しており、首都サンチアゴ市メトロポリタン地域の24万4,000人に次ぐ感染地域となっている。

「アントファガスタ州カラマ市の住民は、COVID-19発生はチュキカマタ鉱山の労働者が原因であり、コデルコの組合はアントファガスタ空港の閉鎖を裁判所に訴えている」とコンサルタント会社Control RisksのLeandro Lima氏は説明している。

世界の銅鉱石生産の25%を占めるチリにとって銅鉱山の操業は死活問題であり、世界の銅消費の50%を占める中国の好調な需要で、今年の銅の国際コモディティ価格は38.0%高騰している。

今年上半期のチリの銅輸出は前年同期比6.0%減少、今年の鉱山部門の労働者は前年比15.0%減少が予想されているが、サービス部門は40.0%の減少が予想されている。

チリ以外にもボリヴィア並びにペルーもCOVID-19パンデミックの影響を受けている。ボリヴィアのポトシのサン・クリストバン銀山では、2人の鉱山労働者がCOVID-19に感染したために、5月末に操業停止している。

またペルーではAntamina鉱山並びにCuajone鉱山など重要な鉱山4か所がペルー政府のロックダウン措置により3週間の操業停止を余儀なくされていた。

メキシコでは石油部門は最重要部門と位置付けされているために、COVID-19パンデミックでも石油生産は継続されたが、石油配給部門や建設部門は事業停止などの影響を受けている。

メキシコの国営石油会社ペメックス社の従業員4,100人以上がCOVID-19に感染、死亡者は202人に達している。1日平均13万5,000バレルの原油を生産するコロンビア最大ののCampo Rubiales油田では6人のCOVID-19感染者が発生している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47402