税制改革は税制システムの透明性と社会格差の是正に結びつくとスペシャリストは指摘(2020年7月21日付けエスタード紙)

今日21日に連邦政府は税制改革に関する憲法改正案(PEC)発表を予定しているが、上院並びに下院で長らく議論されていた税制改革法案が、未だにコンセンサスを得られていない。税制スペシャリストは、税制改革が実施されれば歳入や歳出の明確化で、税制システムの透明性向上並びに社会的格差縮小に繋がると指摘している。

パウロ・ゲーデス経済相は、連邦税の消費に関する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)の統一を行うと予想されている。また州税の社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)の統一に続いて、商品流通サービス税(ICMS)、また市役所の主な歳入源である市税のサービス税(ISS)の簡素化を行うと見込まれている。

「ブラジルの税制システムは、非常に複雑で煩雑で不透明な世界最悪のシステム、また連邦政府、州政府並びに市役所が投資誘致のために減税合戦を繰り返している」とジェツリオ・バルガス財団(FGV)税制研究部門のEurico de Santiコーディネーターは指摘している。

「税制改革の焦点は、より適切な歳入増加による税金の再分配で税制システムの是正であるが、ブラジルの税制システムは、50年以上経過して時代遅れの代物」とジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のJuliana Damasceno調査員は指摘している。

税制改革による最大の恩恵は情報の透明性であり、消費者は歳入の用途が明確になり、公的機関に改善を要求することができると税制スペシャリストは説明している。

「ブラジルの税制システムは複雑すぎて私でもどの点を改善していいのかわからない。領収書をもらってもどの種類の税金や用途などが判らない」とInsper大学のLucilene Prado教授は説明している。

税制システムの簡素化並びに単一化システムの採用は、企業にとって税金納入や徴収の大幅な管理簡素化に繋がり、人件費の大幅なコスト削減に繋がる。もう一つの税制改革の焦点は、より多くの製品やサービスを消費する人々から比例して税金を課し、低所得者の税負担を軽減することを意味する回帰性の修正と指摘している。

「例えば基本食品バスケットの税負担では、富裕層の少ない課税支払い並びに貧困層の重税負担の解消は社会的格差の是正に繋がる。富裕層は貧困層よりも食肉消費が大きいにも拘らず、地方政府は歳入減少を被っている」とLucilenePrado教授は指摘している。

「課題は、企業や個人が納税に非協力的で、問題が永続するようなインセンティブが作成されないよう、この種の税金の再分配を行う方法」と研究者は指摘。「例えば、多くの企業は全国法人登録台帳(CNPJ)を持つ自営業者と契約して正規雇用を行わずに節税を行っているが、それを修正する必要があるシステムの歪みを抱えている」と指摘している。

税金を簡素化することは商業化の容易さ並びに違法性のリスクを軽減できるとジェツリオ・バルガス財団(FGV)財政研究センターの所長は指摘。「商品とサービスを分ける税体系は世界でもブラジルだけ。単一税制にすれば脱税の排除でき、消費に関する連邦政府の単一税と均整の取れた税率を図れる」とEurico de Santiコーディネーターは指摘している。

「税制改革による税制システムの簡素化は大きな雇用創出並びに海外投資家のブラジル国内への投資を促す効果に繋がる。海外の大企業の中にはブラジルの複雑な税制システムを敬遠して投資を控えていた企業の投資意欲を促進する」とEurico de Santiコーディネーターは指摘している。

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