ブラジル貿易会(AEB)の発表によると、COVID-19パンデミックの影響による国内の製造業部門生産減少による輸入減少で、2020年のブラジルの貿易収支は前年比1.7%増加の466億7,400万ドルの黒字を見込んでいる。
昨年12月のブラジル貿易会(AEB)の今年の貿易収支黒字は261億3,000万ドルを見込んでいたものの、今ではCOVID-19パンデミックの影響による輸入の大幅な減少で、昨年末よりも更に200億ドルの黒字増加に上方修正している。
今年の輸入総額は、製造業部門向け消費財などの大幅な減少で前年比18.1%減少の1,452億5,500万ドルと昨年末の1,912億1,000万ドルを約450億ドル下回ると大幅な下方修正を行っている。
特に今年の消費財の輸入は昨年末の予想よりも32.5%減少の36億3,900万ドル、燃料・潤滑油は38.0%減少の128億1,800万レアル、資本財は10.0%減少の227億700万ドルが予想されている。
今年の輸出総額は前年比13.9%減少の1,927億2,100万ドルと昨年末の予想の2,239億8,900万ドルよりも約300億ドル下方修正されている。2019年の輸出総額は2,173億4,000万ドルを約250億ドル下回ると予想されている。
COVID-19パンデミックの影響による世界的な貿易縮小並びに米中貿易摩擦の継続、また国内経済の停滞で今年のブラジルの貿易は大きな負のインパクトを受けている今年のブラジルの輸出総額は前年比13.3%減少、輸入総額は18.1%減少、貿易収支は前年比15.4%減少をブラジル貿易会(AEB)では予想している。
今年の完成品輸出は、特に財政危機に見舞われているアルゼンチンを中心とした南米の経済不振で、2004年のレベルの562億9,500万ドルに留まると予想されている。一方農畜産物輸出がブラジルの貿易収支黒字に貢献、大豆、鉄鉱石、原油が輸出の34%を占めて牽引するが、特に生産記録を更新した大豆は6年連続でブラジルの輸出を牽引している。