中銀の発表によると、2020年6月のブラジルの経常収支は22億3,500万ドルの黒字計上、昨年6月の26億5,900万ドルの赤字から一転して黒字収支を記録している。6月の経常収支としては統計を取り始めた1995年以降では最高の黒字幅を計上している。
また2020年上半期の経常収支は97億3,400万ドルの赤字を計上したにも関わらず、昨年上半期の209億9,800万ドルの赤字の半分以下に減少している。6月の過去12か月間の経常収支赤字は、GDP比2.35%に相当する381億8,800万ドルであったが、今年5月の過去12か月間の経常収支赤字はGDP比2.54%から大幅に減少している。
今年6月の海外投資家による対内直接投資総額は47億5,400万ドル、今年上半期は、COVID-19パンデミックの影響で253億4,900万ドルと昨年同期の322億3,300万ドルを70億ドル下回っている。
今年6月までの4か月間連続でブラジルによる海外投資の引揚げが継続しており、この4か月間に29億ドルの海外からの資金引き揚げが継続している。
今年6月の過去12か月間の海外投資家による対内直接投資残高はGDP比4.41%の716億7,600万ドルを記録、今年5月のGDP比4.04%を上回った。また今年6月の過去12か月間の対内直接投資残高のGDP比4.41%は、過去12か月間の経常収支赤字のGDP比2.35%を大幅に上回って充分カバーしている。
中銀では2020年の経常収支赤字は、GDP比1.0%に相当する139億ドルに対して、対内直接投資は550億ドルと経常収支赤字の4倍に相当する資金流入を見込んでいる。
今年6月のブラジル人の海外旅行収支はCOVID-19パンデミックの影響で、2億3,900万ドルと前年同期の15億2,400万ドルの6分の1以下に縮小、一方外国人のブラジル国内での支出は1億6,700万ドルと前年同期の3億7400万ドルの半分以下となっている。6月の旅行収支は7,200万ドルの赤字を計上したが、前年同月の11億5,000万ドルから大幅に減少している。
今年6月の海外投資家によるブラジル国内の金融投資による資金流入は55億1,200万ドルと5月の15億5,000万ドルの引揚げから一転、まあ昨年6月は15億6,600万ドルの資金引き揚げであった。
今年6月の海外投資家による国債などの金利確定付き投資は50億8,100万ドル、株式投資残高は1億9,200万ドル、今年の株式投資は50億ドルの投資残が見込まれている。
今年7月の23日迄の対内直接投資は6億2,500万ドル、利益・配当金の海外本社への送金は3億8,700万ドル、金融投資残高は2億4,700万ドル、そのうち株式投資並びに投資ファンドは9億700万ドル、確定金利付き投資は6億6,000万ドルであった。
また7月の23日迄のブラジル人の海外旅行による旅行支出は1億8,100万ドル、中銀では今年7月の経常収支黒字を5億ドル、対内直接投資は20億ドルを見込んでいる。