民間銀行の法人向けクレジット増加率が公立銀行を上回る(2020年8月10日付けヴァロール紙)

中銀のCOVID-19パンデミックで国内経済が大きな影響を受けている3月16日~7月31日までのイタウー銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行並びにBTG Pactual銀行の4大民間銀行の新規、契約更新やロールオーバーなどのクレジット総額は5,735億レアルに達した一方で、公立銀行のクレジット総額は3,311億レアルに留まっている。

COVID-19パンデミックによる国内経済を停滞させないための潤滑油となるクレジット拡大は民間銀行が牽引しているが、前回の金融危機時は公立銀行がクレジットを拡大していた経緯があった。

今年3月~7月の4大民間銀行の大企業向け新規クレジット総額は2,388億1,000万レアルで、公立銀行の417億レアルの5倍以上を記録、前期同様に契約更新やロールオーバーなどのクレジット総額は829億レアルに対して、公立銀行は85億レアルに留まった約10倍を記録している。

一方今年3月~7月のCOVID-19パンデミック期間の個人向け新規クレジットは公立銀行が1,077億レアルに対して、民間銀行は793億レアルに留まっている。前期同様に個人向け契約更新クレジットは944億レアルに対して、民間銀行は335億レアルとなっている。

COVID-19パンデミックでは与信強化で困窮している個人や零細企業向けの新規クレジットとして850億レアル、住宅ローンを中心に2,500億レアルに達するクレジット返済の先延ばしを行っていると連邦貯蓄金庫のペドロ・ギマランエス頭取は説明している。

3月~7月のCOVID-19パンデミック期間のブラジル銀行の新規クレジットは、大企業の法人向けを中心に1,000億レアル、契約更新などのクレジットは710億レアルを拠出している。

社会経済開発銀行(BNDES)は、過去の経済危機時は連邦政府の要請で大企業救済目的で大胆なクレジットを提供していたが、今回のCOVID-19パンデミック対応として、今年第2四半期の中小企業向けを中心のクレジット総額は、前四半期比247.8%増加の171億5,900万レアルに達しているが、2013年の経済危機時には1,904億レアルのクレジット総額に達していた経緯があった。

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