ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2020年6月の自動車並びに建材を除く一般小売販売量は、前月比8.0%増加を記録、5月の14.4%増加に続いて2ヶ月連続で大幅増加を記録している。
しかし今年5月並びに6月の一般小売販売は大幅増加に転じたにも関わらず、今年上半期の一般小売販売は、3月中旬からのCOVID-19パンデミックの影響で、前年同期比マイナス3.1%と2016年下半期のマイナス5.6%に次ぐ一般小売販売の減少を記録している。
今年6月の一般小売販売の前月比8.0%増加は、比較ベースとなる5月の小売販売が非常に悪かった影響で増加したが、今年4月はマイナス17.0%とCOVID-19パンデミックの壊滅的な影響を受けていた。
ブロードキャストプロジェクションの38金融機関対象の調査では、今年6月の一般小売販売の平均予想は前月比4.9%、最低予想は0.87%増加、最高予想は19.80%と非常に大きな開きがあった。
COVID-19パンデミック対応として、外出自粛要請や必需品以外の営業自粛要請の影響を受けなかった医薬品・香水・化粧品・医療機器セクター並びにハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは、一般小売販売の50.8%を占めて他のセクターよりもCOVID-19パンデミックのインパクトが少なかった。
今年6月の一般小売販売は前年同月比0.5%増加も微増を記録したが、ブロードキャストプロジェクション調査では、平均予想は前年同月比比マイナス3.39%、最低予想は4.0%増加、最高予想は7.50%であった。
MCM Consultores社エコノミストのCaio Napoleão氏は、連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の月額600レアルの緊急補助金(auxílio emergencial)支給に加えて、リオ市やサンパウロ市での商業部門の再開が小売販売の伸び率を増幅させた要因となっている。
6月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は、前月比12.6%と二桁台の大幅増加を記録し、ブロードキャストプロジェクションの平均小売販売の7.10%増加を大幅に上回っている。また今年6月の広範囲小売販売の前年同月比はマイナス0.9%、今年上半期はマイナス7.4%、6月の過去12か月間ではマイナス1.3%を記録している。