中銀の発表によると、2020年7月のブラジルの経常収支は16億2,800万ドルの黒字計上したが、金融市場関係者は5億ドルの黒字に留まると予想していた。昨年7月の経常収支は97億9,000万ドルの大幅赤字を計上していた。
今年初め7か月間の経常収支は、117億9,800万ドルの大幅な黒字計上した一方で、昨年初め7か月間の経常収支は、309億8,800万ドルの大幅赤字を計上していた。今年7月の過去12か月間の経常収支は、GDP比2.0%に相当する317億3,700万ドルの赤字を計上、今年6月の過去12か月間の経常収支は、GDP比2.65%の赤字を計上していた。
今年7月の海外投資家による対内直接投資は、26億8,500万ドルと金融市場関係者の20億ドルの予想を大幅に上回った。昨年7月の対内直接投資は53億2,800万ドルを記録していた。
また今年初め7か月間の対内直接投資累計額は、COVID-19パンデミックの影響を受けて255億2,700万ドルに留まり、昨年同期の364億7,500万ドルを100億ドル以上下回っている。
しかし今年7月の過去12か月間の対内直接投資は、GDP比3.94%に相当する625億5,500万ドルと前月のGDP比4.01%から若干減少したにも拘らず、7月の過去12か月間の経常収支赤字であるGDP比2.0%の約2倍に達しているために、十二分にカバーできる海外からの投資を記録している。
7月の海外投資家によるブラジル国内の投資金残高は、マイナス9億6,000万ドルを記録した一方で、6月は55億1,200万ドルのプラスを記録、昨年7月も30億9,900万ドルのプラスを記録していた。
7月の海外投資家によるブラジル国債などの確定金利付き投資はマイナス12億9,300万ドル、サンパウロ証券取引所B3並びにニューヨークの株投資は3億3,300万ドルのプラスを記録している。
今年7月の外資系企業の利益・配当金送金は、6億6,900万ドルと昨年同月の30億1,600万ドルの2倍以上の送金額を記録。今年初め7か月間では、131億9,500万ドルと前年同期の179億5,900万ドルを50億ドル近く下回っている。
COVID-19パンデミックの影響で旅行業界は壊滅的なダメージを受けており、7月のブラジル人による海外旅行の支出は2億6,700万ドルに留まり、COVID-19パンデミックの影響がなかった昨年7月の18億9,800万ドルの1/7まで縮小している。
一方今年7月の外国人によるブラジル国内の旅行支出は、1億4,000万ドルに留まって1年前の5億9,800万ドルから大幅に減少、7月の旅行収支は1億2,700万ドルの赤字を計上、1年前は13億ドルの黒字を計上していた.
中銀では、2020年のブラジルの経常収支はGDP比1.0%相当の139億ドルの赤字を予想、対内直接投資残高は550億ドル、金融投資残高は50億ドルの黒字、利益・配当金の本国送金は132億ドルを見込んでいる。