Economatica社の2020年上半期のラテンアメリカ地域の大企業582社対象の純益調査によると、ブラデスコ銀行の純益は12億5,700万ドル(68億8,800万レアル)でライバルのイタウー銀行の12億4,600万ドルを僅かに上回ってラテンアメリカの首位に躍り出ている。
今年上半期のブラデスコ銀行の純益は、前年同期比40%減少の12億5,700万ドルに留まったが、COVID-19パンデミックでライバル銀行の収益悪化が甚大であったためにラテンアメリカの首位に躍り出た同銀行ファイナンス担当のAndré Cano副社長は説明している。
COVID-19パンデミックの影響による外出自粛要請や国内の石油派生品消費の大幅減少などの要因で、今年上半期のペトロブラス石油公社の純益は、ラテンアメリカ最大の94億ドル(515億レアル)の赤字を計上している。
また3月中旬から継続するCOVID-19パンデミックの影響で、今年上半期の航空業界のLatam社、Azul社、製紙業Suzano社, テレコンOi社の赤字が拡大している。
今年上半期のブラデスコ銀行のインフレ指数を差引かない名目コストは前年同期比3.0%減少、顧客オペレーションマージンは9.2%増加、クレジット部門は14.9%増加、また新規口座は210万人増加の3,130万口座。Bradesco Expresso社を通した大企業の給与支払業務の獲得、デジタル銀行NEXT社の新規顧客獲得などをAndré Cano副社長は指摘している。
イタウー銀行の純益額はブラデスコ銀行を下回ったにも拘らず、イタウー銀行の純資産に対する収益率は5.4%とブラデスコ銀行の5.1%を上回っている。ブラジル銀行傘下のBB Seguridade社の純資産に対する収益率は34.4%デラテンアメリカ地域でトップ。銀行業界トップはサンタンデール銀行の7.79%であった。
今年上半期のラテンアメリカ地域の大企業の純益比較では、ブラデスコ銀行、イタウー銀行に次いでブラジル銀行は11億7,100万ドルで3位、ヴァーレ社は11億4,600万ドル、サンタンデール銀行は10億5,900万ドルで5位となっている。
6位にはエレトロブラス社で8億9,000万ドル、メキシコ資本GF Banorteの6億7,700万ドル、メキシコワールマート社5億500万ドル、Ambev社4億2,300万ドル、10位にはメキシコのSantander Serfin銀行の4億1,800万ドルとなっている。