今年の輸入は減少率を輸出を上回る予想で貿易収支黒字拡大か(2020年9月2日付けヴァロール紙)

2020年初め8か月間の輸入総額は前年同期比12.3%と二桁台の減少を記録したが、年末までさらに減少幅が加速すると予想、また輸出も減少傾向が予想、今年の貿易収支黒字は昨年の480億ドルを大幅に上回ると産業開発研究所(Iedi)では予想している。

今年初め8か月間の輸出総額は、前年同期比6.6%減少の1,386億ドル、輸入総額は12.3%減少の1,020億ドル、貿易収支は14.4%増加の366億ドル、今年8月の貿易収支は66億ドルの黒字計上で8月としては記録更新したと経済省通商局(Secex)では発表している。

COVID-19パンデミックの影響による世界貿易縮小に従って、今年のブラジルの貿易総額は昨年を下回る3,496億ドルに留まるが、貿易収支黒字は、昨年を大幅に上回る554億ドルと経済省通商局(Secex)のHerlon Brandão次官は予想している。

今年のブラジルの貿易収支は、輸入総額が前年比18.0%減少するために550億ドル前後の黒字を予想。昨年の1日当たりの平均輸入額は7億100万ドルであったが、毎年11月第4木曜日に催される感謝祭(Thanksgiving Day)翌日のブラジルでのブラックフライデー商戦並びに12月のクリスマス商戦向けの輸入増加に伴って昨年10月の輸入額は7億8,500万ドル、11月は7億4,000万ドル、12月は7億500万ドルと年末にかけて増加する傾向にあるとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。大豆の輸出は既に95%に達して9月で終了するために、今年の輸出総額は前年比11.7%減少をカストロ会長は予想している。

Ourinvest銀行貿易戦略担当のWelber Barral氏は、今年のブラジルの貿易収支は輸入総額減少で550億ドル以上の黒字を予想。9月以降の輸入はレアル通貨対するドル高の為替並びに国内経済の低迷で輸入増加を発生しないと予想している。

今年初め8か月間の貿易総額は、2,407億レアルと2010年の2405億ドルの水準まで低下、過去10年間では、経済リセッションの影響を受けていた2016年の2,146億ドルを下回っていると産業開発研究所(Iedi)エコノミストのRafael Cagnin氏は指摘している。

ブラジルの貿易拡大の一要因として、遅れに遅れている税制改革の実施によるブラジルコスト削減で貿易コストの競争力強化が不可欠とRafael Cagnin氏は指摘している。

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